国重要無形民俗文化財 八戸三社大祭の山車行事

八戸三社大祭(はちのへさんしゃたいさい)の山車
八戸三社大祭は、八戸市内に所在する龗(おがみ)神社、長者山新羅(ちょうじゃさんしんら)神社、神明宮(しんめいぐう)の三社合同例祭です。8月1日のお通りと8月3日のお還りでは、三社の神幸行列に従い、27台の大型で豪華な山車が行列を組んで市内を巡行します。
享保6年(1721年)、法霊社(ほうりょうしゃ)(現在の龗神社)の神輿が、天候不順の回復と五穀豊穣を願って、八戸城下を一巡し、長者山虚空蔵(こくぞう)堂(現在の新羅神社)へ渡御(とぎょ)したのが祭りのはじまりです。
お通りの行列順序は、神明宮行列とそれに供する附祭(つけまつり)の山車行列で始まり、次いで龗神社行列とその山車行列、さらに新羅神社行列とその山車行列が続き、華屋台(はなやたい)が最後をつとめます。お還りでは、神明宮、新羅神社、龗神社の行列順に変ります。
神幸行列はいずれも大麻(おおぬさ)神職、副斎主(さいしゅ)、斎主(宮司)、神輿が中心となり、前後に御榊(みさかき)、神馬(しんめ)、旗差物(はたさしもの)などの行列や、大神楽や山伏神楽、虎舞、駒踊などの芸能が加わって沿道を練り歩きます。
一つの山車組の編成は、組印(くみじるし)の旗持ちと手小舞(てこまい)、山車を引く引き子衆、大太鼓1・小太鼓5・篠笛(しのぶえ)多数からなるお囃子(はやし)衆、木遣(きや)り唄の音頭取り、山車運行者などで構成されます。
題材は、歴史上の英雄や軍記物、昔話や神話・伝説、能や歌舞伎の場面などが好んで使われます。山車の基本的な意匠は、波(なみ)山車、岩(いわ)山車、高欄(こうらん)山車、建物(たてもの)山車の4種類の組み合わせとされています。
なお、八戸市博物館及び龗神社で、江戸時代の山車人形(神功皇后(じんぐうこうごう)と武之内宿禰(たけのうちのすくね)・為朝(ためとも)と嶋人(しまびと)・武田信玄(たけだしんげん)・太公望(たいこうぼう))を見ることができます。
また、平成28年12月1日に、八戸三社大祭の山車行事を含む全国33件の祭礼行事は、「山・鉾・屋台行事」として、ユネスコ無形文化遺産に登録(代表一覧表記載)されました。

虎舞(とらまい)

虎舞(とらまい)
更新日:2025年02月13日