地域力向上フォーラムを開催しました(八戸市協働のまちづくり基本条例施行10周年記念)

更新日:2020年01月07日

平成27年1月24日(土曜日)、14時~17時、八戸グランドホテルにて、地域力向上フォーラムを開催しました。 (主催:八戸市、八戸市連合町内会連絡協議会)

シャンデリアが印象的な会場のステージ上でスーツを着た男性が来場者にスピーチをしている写真

フォーラムでは、NHKの番組「難問解決!ご近所の底力」の司会を務められた堀尾正明さんによる記念講演のほか、地域で活躍されている方々と、1.町内会がなくなるとどうなる?2.地域に若い力を!をテーマに話し合いました。また、あわせて町内会だよりコンクール表彰式を行いました。

当日は、約200人の町内会関係者や一般市民が参加し、町内会の大切さを再認識するとともに、地域活動活性化のヒントを探りました。

記念講演

演題:地域活性化の決め手はこれだ!「ご近所の底力・取材活動から」

臙脂色のステージの幕の前で開いた左手を聴講者に向けてスピーチをするグレーのスーツを着た男性の写真

地域活動はコミュニケーションそのもの

地域活動を行う上で、会話力・コミュニケーション能力は欠かせません。
私たちの世代において、特に男性は”沈黙は金なり”というような風潮がありました。また、インターネットが普及した現代では、人との会話が少なくなり、人はますます無口になっていきます。でも、実社会は無口では生きていけない。最終的には、顔と顔を突き合わせての関係を伴います。
地域において、どのような関係をつくっていくかということにおいても、コミュニケーション能力や会話能力が必要です。例えば、家に閉じこもりがちな一人暮らし高齢者の方を外に連れ出す、あるいは、若者の心をとらえるといった意味でも、もっともっと会話をする、言葉を外に出す、人の話を聞くということを、これまでの意識を変えて心がけていきましょう。

ご近所の底力から

東京都のある地域では、長年、空き巣の被害に悩まされていました。
一人の住民が立ち上がり、他の地域の取組を参考にして空き巣被害をなくした事例があります。
今、そのまちは、空き巣被害をなくすために集まった人たちを中心に、地域のコミュニケーションが広がり、子ども会復活、お祭り復活、防犯・防災活動も盛んになりました。
その他にも、ひとりの情熱、アイディアがまちを大きく変えた事例は全国にたくさんあります。
地域を変えていくのは皆さんです。特にリーダーになる人がいるかいないかで大きく変わってきます。アイディアや、やる気、自分たちの住む地域の特長を生かして、コミュニケーション能力を発揮しながら地域力を高めていってほしいと思います。

町内会だよりコンクール表彰式

町内会の広報紙奨励と情報発信力の向上を目的に、今年度はじめて町内会だよりコンクールを実施しました。
各賞の受賞は次のとおりです。

男女8人の受賞者たちが賞状を手にして写る町内会だよりコンクール表彰式の記念写真

最優秀賞

  • 山手本町町内会

優秀賞

  • 下長町町内会
  • 赤坂町内会

秀作

  • 南田面木町内会
  • 長根町内会
  • 本鍛冶町町内会
  • 是川二丁目町内会

(注意)表彰作品の詳細は下記です。

事例紹介と座談会

緑色の布が貼られたテーブルに座る地域活動についてスピーチをする3人の地域活動関係者の写真
ステージ上にプロジェクターによって映されたスライドと3人の地域活動関係者の写真
地域活動関係者の女性が紙を手にマイクに向かってスピーチをしている様子の写真

テーマ

  1. 町内会がなくなるとどうなる?
  2. 地域に若い力を!

地域活動関係者

  • 小金山 和人 氏
    山ノ手町内会 会長
  • 守田 日出夫 氏
    高館地区連合町内会 会長
  • 柴田 一則 氏
    白銀南小・中学校 元PTA会長

アドバイザー

  • 堀尾 正明 氏
    フリーアウナウンサー
  • 小林 眞
    八戸市長

進行

  • 齊藤 綾美 氏
    八戸市協働のまちづくり推進委員会 委員
    八戸学院大学ビジネス学部 講師

テーマ1:町内会がなくなるとどうなる?

黒いスーツを着た小金山氏がスピーチをする様子の写真
ー町内会がなくなって困ったこと

小金山氏:回覧がなくなってしまうため、地区で何をやっているのかなど、情報が入ってきません。また、隣同士のコミュニケーションもなくなってしまいます。町内会がなくなって一番困ったことは、防犯灯が消えたことです。防犯灯が消えると辺りは真っ暗になります。山ノ手町内は、道路が狭く、整備されていない所も多いため、防犯上とても危険です。町内の高齢化も進んでいます。非常時の連絡など災害時の対応を考えたらこのままではいけないと思いました。

ー町内会設立にあたり工夫したこと

小金山氏:町内会が解散した理由は役員のなり手がいないことでしたから、再結成にあたっては、若い方や女性に役員を引き受けてもらっています。
町内会長の仕事は大変ですが、嬉しいこともあります。町内の方に防犯灯の修理を依頼され、その日のうちに修理したところお礼の電話をいただきました。とても感激しました。そこは3年間防犯灯が切れっぱなしだったそうです。
今は多くの方が自発的に協力してくれます。ある班長さんは、自ら手作りのごみ箱を作ってくれました。ごみの収集が終わったら折りたためるので交通の障害にもならずとても便利だと評判です。それから若い副会長さんが、町内独自のポスターを作ってくれたおかげで、多くの方がゴミゼロ運動に参加してくれました。
せっかく立ち上げた町内会ですから、これからも町内の皆さんと協力して、何かを皆さんに発信していければと思っています。

テーマ2:地域に若い力を!

町内会に若者を招いた話を、スーツを着た守田氏がマイクを片手にスピーチしている写真
「青年部」立ち上げに至った経緯

守田氏:町内会は地域社会を維持していくためにも必要なものです。高齢化が進み、次の世代に引き継いでいかなければならないという思いで設立に至りました。最初は若い人に声掛けし、5人で発起人会をつくりました。若い人が若い人を呼び、現在は29名になっています。

「青年部」の現在の活動と今後

守田氏:まずは勉強しよう、話し合いをしよう、ということから始めています。一回目は、小田八幡宮の宮司さんから高館地区の成り立ちや歴史を、2回目は、町内会で実際に動いている役員さんと懇談の場を設けました。また、地域の除雪や子ども会の手伝いなども始めています。20~40代の間を青年部で勉強し、50代になったら自分の町内会でリーダーになってほしいと思っています。

マイクを手に若い世代をどのように地域の活動に巻き込むかについて話す柴田氏の写真
若い世代の活動への巻き込み方

柴田氏:地域の球技大会や運動会後の飲みニケーションがチャンスではないかと思います。それから居場所をつくること、青年部のように同年代の人たちの居場所づくりも大事だと思います。
後は会長自身がどのようにしたいかのビジョンを持って取り組まないと今の若い人たちはなかなかついてこないと思います。
地域で活動していく中では、多くの出会いがあります。出会いの場を大切にすること、人を頼ること、初めて関わる人の居場所を考え、笑顔で熱いビジョンを持つことが大切ではないでしょうか。

アドバイザーよりコメント
若い世代を町内会に関心を持ってもらうための要素について話す堀尾氏の写真

堀尾氏:どうしたら町内会に関心を持ってもらえるかを考えた場合、何か役に立つことがあるということ、何か面白いことがあること、この2つが必要だと思います。特に、若い人たちは面白いことがあるという仕掛けをしていくことが必要ではないでしょうか。

町内会が地域の治安に重要な役割を果たしていることについてスピーチする、オレンジ色のネクタイをした小林市長の写真

小林市長:安心して暮らせるまちづくりの一番大事な部分が町内会だと思っています。
東日本大震災がそうでした。69箇所の避難所が開設され、9200名以上の方が避難されましたが、公的機関だけでは手が回らない中、地域の皆さんの頑張りによって支えられました。また、多くの若い方、高校生がボランティアで被災地に行ってくれたことにも感動しました。
いざとなったら地域の力が一番です。そのためにも、やはり日頃から町内会を通じたつながりを積み重ねていくことが大事だと思っています。

プログラム

(注意)地域力向上フォーラムは、公益社団法人青森県市町村振興協会の”地域づくり推進ソフト事業助成金”の活用により実施しています。

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部 市民連携推進課 地域連携グループ

〒031-8686 青森県八戸市内丸一丁目1番1号 市庁本館4階
電話:0178-43-9182 ファックス:0178-47-1485

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