八戸市スポーツ大使ふるさとセミナー@八戸工業大学(令和6年2月16日)
八戸工業大学
開催概要
開催日時
令和6年2月16日(金曜日) 13時00分~14時00分
講師(八戸市スポーツ大使)
中村 亜実 様
(八戸市出身/元アイスホッケー女子日本代表)
内容
[講演]
テーマ:夢をかなえるまで
参加者
令和6年度 部・サークル代表学生(1~3年生) 約50名
会場
八戸工業大学
講演の様子
今回のセミナーは、八戸工業大学の各部活動・サークルにおいて令和6年度の代表者になる学生を対象とした「リーダーズ研修会」の中の特別講演としてご活用いただいたものです。
「小学生や社会人アスリートに話をする機会はあったけど、大学生に話をするのは初めてで緊張している」「ゆるやかな感じで聞いてほしい」ということで講演がスタートしました。
講演の構成
8才でアイスホッケーを始めた頃から「日本代表選手になりたい!」「オリンピックに出たい」という夢を持っていた中村さんは、その18年後の26才のときにソチオリンピック、さらに4年後の平昌オリンピックに出場し、夢を叶えられました。
今回は「リーダーズ研修会」の一環ということで、
- 夢を叶えるまでの道のり のほか、
- 夢を叶えたその先
- アイスホッケーから得たもの
の大きく3つに分けてお話いただきました。
夢を叶えるまでの道のり
豊崎小学校から下長中学校に進み、3年生の途中で夢を目指し親元を離れて上京、名門「コクドレディース」(当時)に所属した中村さん。
「もう一度やるかと言われたら絶対やりたくない」ほど大変で、「家族、先輩・仲間の力を借りてここまでやってこられた。」とこれまでを振り返りました。
高校3年生の頃に日本代表の合宿に選出され始めたものの、周りのレベルが高くて代表選手に定着できず、ようやく定着できるようになったのは大学2年生の頃のこと。
当時目指していたバンクーバーオリンピックの代表選手から最後の最後で落選し、「『努力したのに形にならなかった』『ばからしい』『やめてやる』という気持ちになってしまった」と、翌日から1週間、所属チームの練習に行けなくなるほどの一番大きな挫折を経験します。
その後、チームメイトに支えられながら練習を再開し、代表選出の競争から一旦解放されたこともきっかけとなり、
- (改めて)アイスホッケーが好き
- 支えてくれたチームメイトの為にどんな犠牲でも払う
と覚悟を決め、次のシーズンから所属チームのキャプテンに志願したそうです。
挫折を乗り越えチームのキャプテンになった中村さんは、「チームのため。勝利のため。」と自らのプレースタイルや気持ちにも変化が現れ代表選手にも定着、結果として二度のオリンピック出場を果たし、夢を叶えられました。
ここまでのまとめとして、「挫折を乗り越えた経験」と「仲間の支え」があってオリンピック出場の夢が叶えられたことが伝えられました。
キャプテンの経験から学んだこと
「リーダーズ研修会」ということでリクエストがあり、今後それぞれの活動の代表者になる受講生の皆さんに、2年間の所属チームのキャプテンのご経験から学んだリーダーとしての在り方についても教えていただきました。
- チームメイト全員に同じ対応をするのではなく、それぞれに合った声掛けをする。
- 自分の主観で話すのではなくて、色んな人の話を聞いた上で、何が最善か周りと相談して物事を進める。
- 前任のキャプテンは自分自身にもチームメイトにも厳しい人で、後任のキャプテンはほんわか優しい人だったように、色んなキャプテン像があっていい。
自分の強みを理解して、それを活かしながらどんなチームにしたいかを考えてチームを率いるのが大事
夢を叶えたその先(セカンドキャリア)
現役時代、日本オリンピック委員会の就職支援を活用してバンダイのアパレル事業部で働いていた中村さんは、引退を控えその後のキャリアを考える中で、「せっかく大きい会社に入ったのだから、人事や広報の仕事をしてみたい」と自ら志願して、引退後にそれまでとは全く異なる人事部門に配属されることになりました。
その1年目は「業務用ソフトやメール、電話対応がほとんどできず、周りとの差に悩む日々だった」という中、職場の上司・同僚の方々から、
- 亜実ちゃんは亜実ちゃんなんだから、周りと比べなくていい。
- 亜実ちゃんは競技に打ち込んでほかの人ができない経験をした。
誇りと自信を持つべき。
との励ましがあって乗り越えられたと振り返りました。
そこから、
- 周りと比べても仕方がない。
- 私にしかできないこと・強みを活かして存在をアピールしよう!
と決意したそうです。
引退して全く違う世界に飛び込んだつもりだったのが、
- 強みを活かして存在をアピール
- 人を巻き込みながら物事を進めていく
- 目標に向かうときに必要なことを分析する
といった点で、現役時代と共通点があることに気づいたということも教えていただきました。
現在は、「スポーツで得た経験をビジネスに活かして会社に利益をもたらしたい」との思いから、スポーツビジネスに携わる部署でご活躍されているそうです。
人事部門への配属の際も、現在の部署への配属の際も、それまでお世話になった方に相談したところ、その方がたまたま希望している部署に直接関係していたということで、「人とのつながり・縁」の大切さも教えていただきました。
アイスホッケーから得たもの
現役時代と引退後のご経験から考える「アイスホッケーから得たもの」について、社会でも活かせるものとして主に次の三点をあげられました。
- 諦めずにやり抜く力
できないことは上手な人たちの技術などを盗むなどして諦めずにやり抜く。 - 目標設定、タスク管理、物事を進めていく力
ゴールを定めて、そのためには自分に何が必要なのかを明確にして、優先順位を付けて物事を進めていく。 - 巻き込み力、コミュニケーション力
現役時代、チームのキャプテンだったときには、色んな人の話を聞いた上で周りと相談しながら物事を進めていたこと、引退後は、ご自身が今後やりたいことをお世話になった方に相談したことがきっかけで配属先が決まっていったことをお話されていました。
~ たくさんの仲間との出会いや経験、何ひとつ無駄なことはない ~
リーダーになる皆さんに伝えたいこと
最後に、今後それぞれの活動のリーダーになる受講生の皆さんに、メッセージが贈られました。
- 目の前の出来事に惑わされない
目標に向かう段階の出来事に左右されない。
気持ちをぶらさないことが大切! - 周りの意見を受け入れること
自分の考えも大事だが、周りの意見を受け入れて実行できるということは、それだけで武器になる。 - 自分の強みと弱みを理解する
自分の長所を把握し、勝つために自分に何ができるか考えて徹底する!!
感謝の気持ちを忘れずに、いまを楽しみ、進んでいこう!
質疑応答
- キャプテンとして、プレーでもプレー外でもチームをけん引しなければならないというプレッシャーがあったと思うが、モチベーションの保ち方は?
チームと向き合うことで自分自身の成長をものすごく感じることができた。
今しかできないかもしれない経験がその先の人生を豊かにして自分の強みになると考え、やった方がいいと思っていた。
大変かもしれないけど頑張ってほしい。
- アイスホッケーは団体競技で、横のつながりが大事だと思うが、特に人間関係がうまくいかないときなど、どのようにそのつながりを作っていった?(具体例希望)
日本代表では、2列に並んで向かいの相手の良いところを15秒ずつ言い合う「賞賛のシャワー」というものがあった。
周りが自分のことをどう思ってくれているかが分かって自信につながる。おすすめです!
- これまでの人生の大きなターニングポイントとなった出来事や人との出会いは?
出来事としては、大きな挫折を経験したこと。
周りの仲間に支えられて、恩返しをしようと決意した。
人では、平昌オリンピックのときの監督。
ご自身も挫折を経験された方で、「挫折して這い上がった経験を持っている人は強い。その経験は今後に活きる。」という言葉をかけていただき、挫折の経験が心の中で引っかかっていたのでとても印象に残っている。
最後に
中村亜実さん
中村さんの現役時代や引退後のセカンドキャリアにおける挫折や悩み、それらを乗り越えたリアルな経験談やそれらから学び得たことなどの教えは、今後それぞれの活動においてリーダーとなり、やがては社会に出て活躍される受講生の皆さんにとって多くの学び・気づきがあったことと思います。
「人とのつながり・縁」があって今につながっているということや、「感謝の気持ちを忘れずに」というメッセージからなど、お話の随所で“色んな人に支えられて今がある”という思いが感じられたことも印象的でした。
中村亜実さん、本当にありがとうございました!
八戸工業大学の受講生の皆さん、お疲れさまでした!
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更新日:2024年03月18日