八戸市スポーツ大使ふるさとセミナー@八戸市立明治中学校(令和6年2月6日)
八戸市立明治中学校
開催概要
開催日時
令和6年2月6日(火曜日) 14時30分~16時00分
講師(八戸市スポーツ大使)
天摩 由貴 選手
(八戸市出身/東京2020パラリンピック競技大会 ゴールボール女子日本代表キャプテン)
参加者
八戸市立明治中学校 1学年・2学年生徒 42名
会場
八戸市立明治中学校 体育館
開催の様子
今回のセミナーは、明治中学校2学年の立志式記念講演として、現在もゴールボール日本代表強化指定選手として世界的にもご活躍されている天摩由貴選手のふるさとセミナーをご活用いただいたものです。
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テーマ「夢を持ち続ける」 |
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ゴールボール体験会 |
講演
「パラリンピック出場などからスポーツの才能・センスがあると思われることがあるけど、自分は才能にあふれる人間ではないと思っている。」とおっしゃる天摩選手。
「チャンスは誰にでもある」と、夢を持ち続けて頑張ってこられたご経験やそこから得た教訓などをお話いただきました。
サプライズ
今回のセミナーに当たって、生徒の皆さんにぜひ見てもらいたいと、東京2020パラリンピックの銅メダルをご用意いただきました。
講演を聴きながら皆さん順番に銅メダルを手に取って見ました。
自己紹介
見え方の一例
初めの自己紹介でご自身の視覚障害のことに触れられ、視覚障害といっても見え方は人それぞれ違いがあることについて、いくつか例を見せて教えてくださいました。
天摩選手は現在、両目共に光を感じることができる程度とのことでした。
「自分のことは自分でできるようになってほしい」と、お母さまから東京の盲学校への進学を勧められ、当初は「なぜ親元を離れなければならないのか」と寂しく感じられたそうですが、
- 地元の盲学校の少人数の中では勉強や運動で1番・2番になれるけど、全国ではどうなのか。
- 東京の盲学校に行けば、地元での物足りなさが解消されてもっと楽しくなるのではないか。
という気持ちに転換できて、最終的には東京の盲学校への進学をご自身で決められたそうです。
実際、東京の盲学校では、地元ではなかった大人数の中で、より楽しい学校生活を経験され、
- 実は勉強ができる方ではなく好きではないこと
- 運動をしているときが一番楽しいこと
に気づいたと振り返りました。
パラリンピックを目指したきっかけ
パラリンピックを目指すきっかけは高校生の頃、そのときすでに水泳で世界の舞台で戦っていたクラスメイトの存在でした。
天摩選手は陸上競技の選手としてパラリンピックを目指すようになります。
主に100m・200m競走に励み大学進学後も続けた結果、なんと、2012年に念願のパラリンピック出場を果たしています!
しかしながらいずれも予選で敗退し、陸上競技から引退。
その後大学の非常勤講師として働いていた頃に、高校時代の恩師から誘われたことがきっかけで現在のゴールボールを始められたとのことでした。
「一度諦めたことを違う競技で再び目指すことはすごく覚悟が必要だった」
とはいえ、
- こうして声をかけてもらうことは誰でもあることではない。
- これが分岐点になる。できることはやってみよう。
という思いで挑戦を決めたと当時の心境を振り返りました。
ゴールボールの紹介
ここで、後半に実際に体験することになるゴールボールについて、動画を交えてご紹介いただきました。
その流れで、パラリンピック出場が成功ではなく、リオ2016パラリンピックでは自分のミスで負けてしまったこと、東京2020パラリンピックでは代表選出後のケガのためプレーでチームに貢献できなかったことから満足しておらず、今はパリ2024パラリンピックを目指しているという熱い想いも語られました。
また、競技の結果だけではなく、ゴールボールを通じて色んな人との出会い・関わりがあり、自分の世界が広がったというお話もありました。
日頃から大切にしていること
天摩選手が日頃から大切にしていることについて、教えてくださいました。
- 夢や目標を達成するために、長期目標、中期目標、短期目標を立てる
例えば4年後のパラリンピックを目指す(長期目標)として、1年後(中期)、3か月後(短期)にどうなっていたいか、そのために日々何をするか。
自分は飛びぬけた才能があるわけではないが、そうして日々積み重ねられる力が人よりあるのかもしれない。
- 迷ったときは、「後悔しない方」を選択する
苦手なトレーニング、苦手だと感じる人、色々ある。
もし今日休んだとしても、後悔しなければいい。
- 苦しいときは、「なぜ●●をやっているのか?」を思い出す
原点に立ち返る。
自分の場合は、金メダルを獲りたいからゴールボールをやっている。
- 「負けず嫌い」な気持ちに素直に、最後は気合!!
小さい頃から母が色んなことに挑戦させてくれた。
自分は負けず嫌いで、目が見えなくても何でも挑戦したいと思っていた。
最後は気合で乗り切ることも大事。
生徒の皆さんへエール
講演の締めくくりとして、生徒の皆さんへエールが贈られました。
- ≪まずは≫
夢や目標を見つけよう!!
目指すものを見つけてそれに向かって日々を過ごしてほしい。
- ≪結果も大事だけれど≫
どのような過程を辿ったかが大事!!
周りからは結果を求められることもあるけど、自分にとってはその過程が大事。
- ≪夢を見つけて≫
あなたの人生においてはあなたが主役!!
人生というステージでキラキラ輝こう!!
10年後、20年後を想像して、可能性を信じて自分の人生を輝かせてほしい。
周りの人に感謝
皆さんは今、思春期真っ只中で、先生や親のことをうるさいとか、うっとうしいとか思うことがあるかもしれない。自分にもあった。
今はそれでいいけど、いずれその存在のありがたさに気づくときが来る。
誰しも周りの人の力がないと生きていけないので、できないことについて周りに助けを求めることができるのも自立だと思う。
セミナーの前に執り行われた立志式もご覧になった天摩選手から、
- 色んな宣言があってどれも素晴らしかった。
- 今後、高校、大学と進んでいく中でもぜひ実践してほしい。
- 宣言の中で「短所に向き合う」ということがあったけど、それと同時に長所にも向き合ってほしい。強みをどんどん伸ばして個性として輝かせて。
というアドバイスもいただきました。
ゴールボール体験会
講演後は、2年生全員がボールを投げる、受けるなどの基本の動きを体験し、さらに代表の生徒6名は試合形式でも体験しました。
投げ方
天摩選手のお手本
受け方
片膝を立てて
もう片方は横に伸ばす
腕を伸ばして横に滑る
腕は顔より前で伸ばし、ボールが顔に当たらないように
アイシェードを装着して実演
目を閉じて挑戦
止めました!
試合形式
代表生徒6名がアイシェード(目隠し)を着けて、試合形式も体験しました。
お礼の挨拶
最後に
天摩由貴選手
今回のセミナーは、明治中学校が天摩選手のお母さまの母校ということで、特別の思い入れを持って講師を務めていただきました。
小さい頃から色々なことに挑戦させてくれ、自立できるようにと東京の盲学校への進学を勧めてくれたお母さまのエピソードをはじめ、「周りの人への感謝」を大事にしていることがお話の随所で感じられたことも、とても印象的でした。
立志式を迎え、1人の人間として決意を新たにした生徒の皆さんにとって、たくさんの学び・気づきがあったことと思います。
天摩由貴選手、本当にありがとうございました!
明治中学校1学年・2学年の皆さん、お疲れさまでした!
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更新日:2024年03月04日