八戸市スポーツ大使ふるさとセミナー@八戸市立田面木小学校(令和5年10月6日)
八戸市立田面木小学校
開催概要
開催日時
令和5年10月6日(金曜日) 10時30分~12時00分
講師(八戸市スポーツ大使)
天摩 由貴 選手
(八戸市出身/東京2020パラリンピック競技大会 ゴールボール女子日本代表キャプテン)
内容
ゴールボール体験会
参加者
八戸市立田面木小学校 4学年37名
会場
八戸市立田面木小学校 体育館
開催の様子
プログラム
- 講師自己紹介
- ゴールボールを知ろう
- ボールの投げ方
- ボールの受け方
- 試合形式で実践
- 質疑応答
- 天摩選手から児童の皆さんへ
- 児童からお礼の言葉
講師自己紹介
天摩選手の自己紹介
まずは天摩選手から、ご自身のことのほか、「八戸市スポーツ大使」と「ふるさとセミナー」についてもご紹介いただきました。
コロナ禍で八戸に来られなかったところ、スポーツ大使として4年ぶりに帰ってこられたとのことです。
天摩選手のお話をしっかり聞いています
「目の見えない人が身の回りにいる人は?」
との問いかけに、手は上がりませんでした。
視覚障害といっても見え方は人それぞれで、天摩選手は、光が分かる程度とのこと。
今回のゴールボール体験会を通じて、
- パラリンピックにこういう競技があることを知ってほしい。
- 視覚障害の人と触れ合うことで新たな気付きを得てほしい。
という2つの目当てを示していただきました。
ゴールボールを知ろう
まずは、ゴールボールの用具をご紹介いただきました。
「ボールの重さは?」というクイズに
「20キログラム!」との声も。
正解は1.25キログラム。
大きさはバスケットボールとほぼ同じですが、
重さはバスケットボールの約2倍と
結構重いようです。
アイシェード(目隠し)をすると
真っ暗で何も見えなくなります。
ゴールボールの紹介動画
次に、ゴールボールの紹介動画を見ました。
目で見てイメージを膨らませたほか、プレー中は静かにして、ゴールが入ったときだけは拍手をしたり歓声を上げてもよいという観戦マナーも教えていただきました。
ラインを触って位置を確かめる
ゴールボールのラインについてもご説明いただきました。
太さ3ミリメートル程度の紐の上からラインテープを貼っていて、選手は、その凹凸を触るなどしてコート上の位置を確かめます。
ボールの投げ方
では、実際に体を動かしていきます。まずは、ボールを投げる練習です。
天摩選手のお手本
ブラジルの選手が使うという
変則的な投げ方もご披露いただきました。
後ろ向きになって股の下から投げます。
コートのゴールからゴールまでがラインによって6つ均等に分かれていて、
- 自陣ゴール側2つ分が「チームエリア」
- センターラインを挟む2つ分が「ニュートラルエリア」
と呼ばれます。
ボールが「チームエリア」と「ニュートラルエリア」それぞれで最低1回ずつ床に触れれば有効なスローイングで、投げるフォーム等に縛りはないそうです。
ブラジルの選手の投げ方に挑戦!?
ボールの受け方
次は、ボールを受ける練習です。
天摩選手のお手本
音で方向と距離を感じて
天摩選手のお手本
タイミングよく体で受けます
動きの確認
片方の脚は膝をついて、
もう一方の脚は開いた状態でかまえます。
横に伸びてボールを止めます。
ボールが、膝をついている側に来たときは足で床を蹴ってボールの方へ腕を伸ばして、その反対側に来たときは手で床を押してボールの方へ脚を伸ばして、滑るようなイメージです。
両腕は、顔が間にくるように頭の上の方へ伸ばしますが、腕を開きすぎるとボールが抜けて顔に当たってしまう場合があるので注意が必要です。
実際に受けてみる
試合形式で実践
アイシェード(目隠し)を着けると
本当に何も見えません
ここまでは、見える状態で練習してきましたが、ここからはいよいよアイシェードを着けての実践です。
代表の児童が挑戦しました。
スローイング
ディフェンス
ボールに反応できています!
選手交代
アイシェードを装着
きれいなフォーム!
先生も挑戦
先生から児童へつなぐパス!
プレー中は静かにして、観戦マナーをしっかり守って見ています。
「ゴール!」「アウト!」と、しっかり声を出して天摩選手に伝えることもできました。
天摩選手からは、
- 教えていなくても、チーム内で「ボールをとったよ」などの声掛けができていたこと
- ボールを止めたときに歓声を上げたくなるところで、ルールを守り静かに見ていたこと
が特によかったとお褒めの言葉をいただきました。
児童からは、
- ボールを止めることができたこと、ゴールを決められたことが楽しかった
- アイシェードを着けるとどこにボールがあるのか分からなかった。選手はすごい。
といった感想がありました。
質疑応答
児童からたくさんの質問があり、天摩選手が答えてくれました。
その内容をご紹介します。
- 目が見えないのにどうしてそんなに上手にできるの?
たくさん練習した。
- アイシェードを着けているのは怖い?
最初は怖いが、練習することで慣れる。
弾ませる「バウンドボール」や、実際はボールを投げない人が投げるふりをする「フェイク」などもあり、アイシェードを着けてボールを止めるのは難しい。
- なぜアイシェードを着けるの?
視覚障害といっても、全く見えない人、文字は読める人、人影は分かる人、光は分かる人といったように、1人ひとり見え方が違う。
そういった人たちが同じ条件の中でプレーするため。
パラリンピックでは視覚障害の人だけが出場できるが、国内の大会では視覚障害のない人も出場できる。
- 普段の生活で大変なことは?
1人で生活しており、ごはんの準備、掃除、洗濯、買い物など自分でする。
スーパーで、自分の欲しいものがどこにあるか分からなかったり、初めて行くところでは目標の場所がどこなのかが分からないため、近くにいる人に助けてもらう。
- ペットを飼っていたり、動物に触れたりすることはある?
子どもの頃は実家で犬を飼っていた。
大体の動物は大丈夫だが、大きい動物は苦手。
「びびり」なので自分から手を出すのは苦手で、なめられたりするとびっくりする。
- 階段はどうやって上り下りするの?
白杖(はくじょう)を使って高さを確かめながら上り下りする。
(天摩選手の折り畳み式の白杖を披露すると、「『ラストマン』(ドラマ)で見た!」との声が上がりました。)
天摩選手から児童の皆さんへ
今回のセミナーのまとめとして、天摩選手から児童の皆さんへお話したことをご紹介します。
- 目が見えない、耳が聞こえない、車いすを使っている、お年寄りの方といった体が不自由な人が困っていそうだったら、声をかけてあげると助かる。
ちょっと勇気を出せばできる。
- 障がいの有無にかかわらず、同じ社会で生きる一員として、普段友だちと接するように普通に接してほしい。
- ほかの人はできるのに自分はできず、苦手意識を持ったり悔しい思いをしたりすることがあると思うけど、できないことばかり見ずに得意なことや人には負けないことを見つけてそれを高めてほしい。
- 自分はゴールボールと出会って、プレーや生活でもできなかったことができるようになったし、人とのつながりも生まれた。
- 皆さんも、何か夢中になれることがある人は続けて、今夢中になれることがない人は色んなことにチャレンジして見つけてほしい。
児童からお礼の言葉
2人の児童が代表して天摩選手に感謝の言葉を伝えてくれました。
- ゴールボールを体験できていい経験になった。
また機会があったら一緒にやりたい。
- 天摩選手が言ったとおり、障がいがある人と関わっていきたいと思った。
ちょっとでも助けになりたい。
今回の機会を忘れません。
最後に皆さんでお礼をして終了しました。
最後に
天摩 由貴選手
終了後、サプライズで、東京2020パラリンピック競技大会の銅メダルを見せていただきました。
「3年前に車いすバスケを始めて世界が広がった」というご自身の体験をお話をされていた担当の先生。
「普段触れることのないスポーツを体験できたことで、新しい発見があり、将来の選択肢の幅が広がる機会になった」とのお話もいただきました。
児童の皆さんにとって、今回の機会が、天摩選手のゴールボールとの出会いのような何かのきっかけになればと思います。
なお、今回は時間の都合上、代表の児童のみ実践形式での体験をしましたが、コートのラインをそのまま残し、ボールとアイシェードも引き続き借用して、後日全員が体験されたとのことです。
天摩由貴選手、本当にありがとうございました!
田面木小学校4年生の皆さん、お疲れさまでした!
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更新日:2023年11月10日