八戸市スポーツ大使ふるさとセミナー@八戸市立豊崎中学校(令和5年9月20日)
八戸市立豊崎中学校
開催概要
開催日時
令和5年9月20日(水曜日) 13時30分~15時10分
講師(八戸市スポーツ大使)
天摩 由貴 選手
(八戸市出身/東京2020パラリンピック競技大会 ゴールボール女子日本代表キャプテン)
内容
ゴールボール体験会
参加者
八戸市立豊崎中学校 全校生徒26名
会場
八戸市立豊崎中学校 体育館
開催の様子
プログラム
- 講師自己紹介
- ゴールボールを知ろう
- ボールの投げ方
- ボールの受け方
- 試合形式で実践
- 質疑応答
- 天摩選手から生徒の皆さんへ
講師自己紹介
天摩選手の自己紹介
まずは天摩選手から、ご自身のことのほか、「八戸市スポーツ大使」と「ふるさとセミナー」についてもご紹介いただきました。
「声を出して受け答えしてほしい」
視覚障害といっても見え方は人それぞれで、天摩選手は、光が分かる程度とのこと。
相手の声から様子を感じるので、話しかけたときは、声を出して受け答えをしてほしいとのお願いがありました。
ゴールボールを知ろう
「ゴールボール」と言っても、聞いたことはあるけど見たことはないという生徒さんが大多数。
体験に移る前に、動画を見てイメージを膨らませます。
ゴールボールの紹介動画
ボールとアイシェード(目隠し)
ボールには鈴が2個入っている
ボールの投げ方
まずはボールを投げる練習です。
コートのゴールからゴールまでがラインによって6つ均等に分かれていて、
- 自陣ゴール側2つ分が「チームエリア」
- センターラインを挟む2つ分が「ニュートラルエリア」
と呼ばれます。
ボールが「チームエリア」と「ニュートラルエリア」それぞれで最低1回ずつ床に触れれば有効なスローイングで、投げるフォーム等に縛りはないそうです。
- 低く転がす「グラウンダー」
- 弾ませる「バウンドボール」
- カーブ、シュート
と様々な球種があるそう。
ボールの受け方
次は、ボールを受ける練習です。
動きの確認
片方の脚は膝をついて、
もう一方の脚は開いた状態でかまえます。
横に伸びてボールを止めます。
ボールが、膝をついている側に来たときは足で床を蹴ってボールの方へ腕を伸ばして、その反対側に来たときは手で床を押してボールの方へ脚を伸ばして、滑るようなイメージです。
両腕は、顔が間にくるように頭の上の方へ伸ばしますが、腕を開きすぎるとボールが抜けて顔に当たってしまう場合があるので注意が必要です。
実際に受けてみる
ボールを待って…
ボールを止める!
休憩時間に積極的にアドバイスを求める生徒さんの姿が見られました。
試合形式で実践
アイシェード(目隠し)
ここまでは、見える状態で練習してきましたが、ここからはいよいよアイシェードを着けて見えない状態での実践です。
アイシェードを着けると本当に何も見えない状態。
生徒さんがラインを触っていますが…、
ゴールボールのラインは、太さ3ミリメートル程度の紐の上からラインテープを貼っています。
選手は、その凹凸を触るなどしてコート上の位置を確かめます。
ラインで自分の位置を確認して、鈴の音でボールの位置を把握するため、視覚以外の感覚を使います。
あらゆる音を頼りにプレーするため、プレー中は観客も静かにする必要があるそうです。
スローイング
ディフェンス
ボールに反応できています!
天摩選手参戦
先生方も挑戦
1チーム3人、天摩選手や先生方も交えて10チームに分かれて対戦しました。
全チーム1回ずつ体験したところであっという間に予定時間となってしまいました。
競技の体験だけではなく、天摩選手の審判のサポートや、ゴールジャッジも生徒の皆さんが担ってくれました。
天摩選手の審判をサポート
サイドラインを割ったら「アウト!」
ゴールラインを割ったら「ゴール!」
質疑応答
先生が質問を募ったところ、全員が質問したいと立ち上がってくれました。
そんな質問と回答の内容をご紹介します。
- ゴールボールをやっていてうれしかったことは?
チームで協力してゴールを決めたり、止めたりしたこと。
- ゴールボールで一番大切なことは?
声を出してコミュニケーションを取ること。
- ゴールボールをやることになったきっかけは?
東京2020パラリンピックに向けてやってみないかと、高校時代の先生から声をかけてもらった。
- ゴールボールを始めたときに目標とした人は?
所属したクラブチームに男女ともに日本代表の選手がいて、技術が高く、目標となった。
- つらかったことは?
イメージしたボールが投げられないなど、結果が出ないとき。
- 普段の練習内容は?
【投げる】
コントロールの精度を上げる。
【止める】
世界レベルのスピード・パワーを想定して男子の選手に投げてもらうこともある。
【実践】
3人でのプレーの組み立ての確認など。
- 緊張したときにすることは?
呼吸法。お腹の辺りがソワソワする感じを鎮めるようにゆっくり吸って吐く。
- 大会前日に気を付けていることは?
特別なことはしないこと。
逆に普段意識していることは、食事、睡眠、トレーニングの3つで、どれも欠かさないようにしている。
- 睡眠時間は?
アスリート等は9~10時間が理想とされており、それを一番の目標としているが、実際は一般の人と同じ7時間は取るようにしている。
- ゴールボールの魅力は?
視覚障害の有無や程度にかかわらず、アイシェードをすることで同じ条件のもとで戦えること。
- パラリンピックの会場の雰囲気は?
緊張した。障害者スポーツは、まだまだ認知度が低く観客が少ないが、パラリンピックは観客が沢山いる。ロンドン大会のときは陸上競技で出場したが、8万人の観客の中で走り、すごい舞台だと感じた。
- 普段の生活での不自由は?
こういった質問でいつも聞かれるため、普段から意識しているが結局忘れてしまうので、あまりないのかもしれない。
絶対にできないことは、文字を読んだり書いたりすること。
また、どこか目標の場所に向かっていても、目で見ることはできないので、周りにいる人に助けてもらいたいが、なかなか助けてもらえなかったこと。
ただ、最近は進んで声をかけてくれる人が増えてきた。
- 何かを見てみたいと感じることは?
文字を読んだり、ほかのスポーツをやったりしてみたいと思うことはある。
小さい頃は少し見えていたのでゲームをしたこともある。
- ゴールボールをやっていて普段の生活に活かせることは?
計画的な考え方。例えば4年後のパラリンピックを長期的な目標としたときに、1年後にはどうなっていたいか(中期目標)、そのためには日々何をすべきか(短期目標)という考え方は何にでも活かせる。
- 4月から日本代表キャプテンを譲られ、次の目標は?
キャプテンになる前は、自分のことを考えながら先輩についていけばよかったが、キャプテンになってから6年間は、自分のことだけではなく、チームのことを考えてやってきた。
キャプテンではなくなったが、チームでは上から二番目の年齢であり、ベテラン選手としてチームが楽しく、のびのびとやっていけるよう見守っていきたい。
天摩選手から生徒の皆さんへ
サプライズで東京2020パラリンピックの銅メダルを見せていただきました!
「ゴールボールを通じて沢山の学びや出会いがあって今の自分がある」「チームメイト・コーチ・スタッフ・応援してくれる人に感謝している」と天摩選手。
「進んで海外で経験を積みたいと考えるようになった」とのことで、物事に取り組む姿勢にも変化が生まれたものと思います。
「自分のきっかけはゴールボールだったが、今後様々な出会いや経験の中で何かきっかけになるものがあると思うので、音楽でも芸術でも何かしら没頭できるものを見つけてほしい」というお話もされていました。
最後に皆さんでお礼をして終了しました。
最後に
天摩 由貴選手
これは打合せのときに天摩選手から教えていただいたことなのですが、ゴールボール日本代表の愛称は「オリオンJAPAN」というそうです。
オリオン座の真ん中の3つの星をコート上の3人に見立て、周りの星を控え選手、監督・コーチといったスタッフ、ご家族、ファンといった様々な人たちとのつながりや支えを表現したものとのことで、今回のセミナーでの天摩選手の教えにつながるものがあるなあと感じました。
豊崎中学校さんでは、コートのラインをそのまま残し、ボールとアイシェードも引き続き借用して、翌日もゴールボールを体験されたとのことです。
天摩由貴選手、本当にありがとうございました!
豊崎中学校の皆さん、お疲れさまでした!
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更新日:2023年09月29日