八戸市男女共同参画基本条例
5.1 八戸市男女共同参画基本条例
平成13年9月27日
八戸市条例第37号
私たちの目指す21世紀の社会は、すべての人が性別にかかわりなく個人として尊重され、自らの意思と選択に基づいて自分らしく生きることのできる社会である。
八戸市においては、国際社会や国等の動向を踏まえつつ、男女平等の実現に向けたさまざまな取組を進めてきた。
しかしながら、性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく社会慣行は今なお根強くあり、真の男女平等の達成には多くの課題が残されている。
一方、少子高齢化、情報化、国際化の急速な進展等により、私たちを取り巻く社会経済情勢は大きく変化しており、これまでの枠組みでは対応しきれない新たな課題も生じてきている。
このような状況の中、市民一人ひとりのたゆまぬ努力と情熱により着実に発展を遂げてきた八戸市が、さらに豊かで活力ある都市として発展し続けるためには、男女が性別にとらわれず、社会のあらゆる分野の活動に対等に参画し、個性と能力を十分に発揮し、喜びと責任を分かち合うことのできる男女共同参画社会の実現が不可欠である。
ここに、私たちは、男女共同参画社会の実現を目指すことを決意し、その推進についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進することにより、男女一人ひとりが生き生きと暮らすことのできる八戸市を築くため、この条例を制定する。
目的
第1条 この条例は、男女共同参画の推進について、基本理念を定め、並びに市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策 の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進 し、もって男女一人ひとりが生き生きと暮らすことのできるまちづくりに寄与することを目的とする。
定義
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるとこ
ろによる。
- 男女共同参画男女一人ひとりが、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されることにより、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
- 事業者市内に事務所又は事業所を有する法人その他の団体をいう。
- 積極的格差改善措置第1号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
- セクシュアル・ハラスメント 性的な言動に対する相手方の対応によって不利益を与え、又は性的な言動により相手方の生活環境を害することをいう。
基本理念
第3条 男女共同参画は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならな
い。
- 男女の人権が尊重され、男女が性別による差別的取扱いを受けることなく、個人として能力を発揮する機会が均等に確保されなければならないこと。
- 男女が社会における活動を選択することに対して、性別による固定的な役割分担等に基づく制度又は慣行が、影響を及ぼすことのないよう配慮されなければならないこと。
- 市における政策又は事業者における方針の立案及び決定に、男女が共同して参画する機会が確保されなければならないこと。
- 家族を構成する男女がその一員としての役割を果たし、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護をはじめとする家庭生活における活動とその他の社会生活における活動との両立ができるようされなければならないこと。
- 男女が互いの身体の特徴について理解を深め、生涯を通じて健康な生活を営むこと並びに両性の合意の下に安心して妊娠及び出産ができることについて配慮されなければならないこと。
市の責務
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男
女共同参画の推進に関する施策(積極的格差改善措置を含む。以下同じ。)を総合
的に策定し、及び実施する責務を有する。
- 市は、男女共同参画を推進するに当たっては、市民、事業者、国及び他の地方公共団体と連携して取り組むものとする。
市民の責務
第5条 市民は、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、基
本理念にのっとり、男女共同参画の推進に寄与するよう努めるとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
事業者の責務
第6条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、 男女が 共同して参画することができる体制の整備に積極的に取り組むよう努めるととも に、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければな らない。
基本計画
第7条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図る
ため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を
定めなければならない。
- 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
- 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画の推進に関する施策の大綱
- 前号に掲げるもののほか、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
- 市長は、基本計画を定めようとするときは、あらかじめ、八戸市男女共同参画審議会の意見を聴くとともに、市民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
- 市長は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
- 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。
男女共同参画に関する教育及び学習の振興
第8条 市は、市民及び事業者が男女共同参画に対する理解を深めることができるよ う、学校教育をはじめとするあらゆる機会を通じて、男女共同参画に関する教育及 び学習の振興に必要な措置を講ずるものとする。
市民及び事業者の活動への支援
第9条 市は、市民及び事業者が男女共同参画の推進に関して行う活動を支援するた め、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。
施策の策定等に当たっての配慮
第10条 市は、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及 び実施するに当たっては、男女共同参画の推進に配慮するものとする。
調査研究
第11条 市は、男女共同参画の推進に関する施策の策定及び実施のために、必要な調査研究を行うものとする。
男女共同参画推進月間
第12条 市は、市民及び事業者の間に広く男女共同参画の趣旨を周知するととも に、男女共同参画の推進への取組が積極的に行われるよう、重点的に啓発活動等を 行う男女共同参画推進月間を設ける。
- 前項の男女共同参画推進月間は、毎年10月とする。
年次報告
第13条 市長は、毎年、男女共同参画の推進状況及び男女共同参画の推進に関する 施策の実施状況を公表しなければならない。
苦情等の処理
第14条 市は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の 推進に影響を及ぼすと認められる施策に関する市民及び事業者からの苦情を適切に 処理するために必要な措置を講ずるものとする。
- 市は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する要因による人権の侵害に関して市民及び事業者から相談の申し出があったときは、他の機関 と連携し解決に努めるものとする。
男女共同参画の推進の阻害要因となる行為の防止
第15条 何人も、社会生活のあらゆる場において、男女共同参画の推進の阻害要因 となるようなセクシュアル・ハラスメント及び暴力的行為(身体的又は精神的な苦 痛を与える行為をいう。)を行わないようしなければならない。
公衆に提供する情報に関する留意
第16条 何人も、公衆に情報を提供する場合においては、性別による差別的取扱 い、固定的な役割分担等を連想させる表現を用いないよう努めなければならない。
男女共同参画審議会
第17条 男女共同参画の推進に資するため、八戸市男女共同参画審議会(以下「審
議会」という。)を置く。
- 審議会は、市長の諮問に応じ、男女共同参画の推進に関する基本的かつ総合的な施策及び重要事項について調査審議する。
- 審議会は、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況を調査し、必要があると認めるときは、市長に対し、意見を述べることができる。
- 審議会は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱した委員をもって組織する。ただし、第4号に掲げる者については、委員の総数の10分の4以内とする。
- 知識経験のある者
- 事業者から推薦された者
- 関係行政機関の職員
- 公募に応じた者
- 前項の委員の定数は、15人以内とする。
- 審議会の運営について必要な事項は、市長が定める。
委任事項
第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
- この条例は、平成13年10月1日から施行する。
- 八戸市特別職の職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年八戸市条例第26号)の一部を次のように改正する。
別表第1及び別表第2中「開発審査会の委員」を 「開発審査会の委員男女共同参画審議会の委員」に改める。
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更新日:2020年01月07日