平成27年度 トーキングカフェ

更新日:2020年01月07日

平成28年1月31日(日曜日)に八戸ポータルミュージアム「はっち」において、活躍する女性と市長との公開トーク「トーキングカフェ」を開催し、男性の多い職場で活躍されている女性の皆さんと市長とが意見交換を行いました。

私だからできること~ひろげる ひろがる 女性の仕事~

八戸ポータルミュージアム「はっち」の「トーキングカフェ」会場で、活躍する女性3人と市長が意見交換をしている様子の写真

この仕事に決めたきっかけややりがいは?

運転士の制服姿で、マイクを片手に南部バスの運転士になったきっかけと現在の心境を語る川村奈津子さんの写真

川村 奈津子さん

(南部バス株式会社 バス運転士)

【川村】運転が好きで運転する仕事に憧れていました。家事、育児などから諦めていましたが、八戸公共交通アテンダント「はちこ」として働いていた時に、南部バスに乗車する機会があり、運転士募集と大型免許取得の費用助成制度を知ったのがきっかけです。

お客様に安心して乗車していただき、安全に目的地までお連れするという大切な役割を負っているという思いで仕事をしています。また、お客様から「ありがとう」「助かる」などと感謝の声を掛けていただくとやりがいを感じます。

【小向】幼い頃に自宅のリフォーム過程を見て感動し、モノづくりに興味を持ち、土木を専攻しました。その後、就職活動中に東日本大震災があり、被災した地元八戸市の復興の力になれればと思い、入社しました。

通常見ることのできない完成までの過程の一瞬一瞬を見ることができ、各現場で工種や工法を発見し、学べることは、この仕事の特権でもあり、魅力ですが、責任も重大です。完成時には、達成感、やりがいを感じますが、今はまだ、竣工できたという開放感や利用される方に満足していただけるだろうかという不安な気持ちの方が大きいです。

【沢田】兄が消防士ということもあり、話を聞いたり、調べるうちに消防士の業務が火消しだけではないこと、地域やそこに住む方々に密着していることを知り、興味を持ち、また、女性の活躍が少ないこともかえって魅力を感じました。

日々、困っている人の役に立っていると感じられることがやりがいとなっています。救急車に乗って1年目の私は、毎日1件1件の出動に精一杯です。

【市長】皆さんが仕事を好きになり続けられるエピソードを聞かせていただき、それぞれの職種が持っている素晴らしさ、尊さを感じていることは男性も女性も変わらないと感じました。

男性の多い職場での苦労や喜び、周りの変化や反応は?

作業着姿で、マイクを片手に土木現場監督の仕事への思いと建設業界の3Kのイメージ改善に意欲を示す小向麻緒さんの写真

 小向 麻緒さん

(株式会社石上建設 土木部 現場監督)

【川村】通常の業務では大変さ、不便さというのは特に感じてはいません。フォローしてくださる男性先輩が多く、体力面、精神面で非常に助けられています。ただ、いつまでも女性だからと甘えるのではなく、男性と同じ条件で同じ路線を走って、同じように働いていこうと努力しています。 

【小向】今まで女性の土木現場監督はいなかったため、周りの気遣いや接し方がぎこちなく感じることや、現場にいることに驚かれることもありましたが、それも最初のうちだけで、今では厳しく指導されることも多く、見守っていただいてると感じています。 

建設業界は「きつい・汚い・危険」の3Kのイメージがありますが、そのイメージを覆すよう改善できるよう、安全面には特に注意しています。石ころで大きな事故が起きることも有りますので、現場施工だけではなく、片付けや清掃にも力を入れています。それによって、汚いというイメージもなくせると思っていますし、綺麗な職場のほうが作業する方々にとっても良いと思っています。

また、男性と違い、気軽に声をかけていただくことも多く、何気ない会話の中から、地域の特性や改善してほしい点を感じ取り、施工に繋げるよう心がけています。もっと女性ならではの観点を活かしていきたいと思います。

【沢田】女性傷病者には妊娠の可能性を尋ねる必要がある場合や、胸に直接シールを貼るなどの必要がある場合があります。同性の私が対応することで、出動後、先輩に私がいて活動がしやすかったといわれると大変うれしいです。

また、入署当時は、沢田さんと苗字で呼ばれていましたが、だんだん下の名前「なるみ」で呼ばれることが増えたきたので、馴染めているなと感じています。

【市長】皆さんの仕事は、公共性が高く、非常に責任が重い、そして、女性であることによって働きにくいことがないようすごく配慮が行き届いている職場であることを感じ、これが八戸市全体に広がっていくことを期待しています。また、女性は家庭責任を持つことが多く、男性と同じように働く上では大変難しい問題を抱えています。これは制度を整えるだけではなく、ご家族や地域の皆さん、職場の理解が必要だと感じました。

将来の夢や今後やりたいことは?

消防隊の制服姿で、マイクを片手に消防隊として働く夢と成長していきたいという思いを語る沢田成海さんの写真

沢田 成海さん

(八戸地域広域市町村圏事務組合 八戸消防署 消防士)

【川村】運転技術の向上と故障等のアクシデントにも迅速に対応できる力をつけたいと思います。日々、緊張感と責任感を持ち安全安心な運行を心がけ、不安や疑問をどんどん聞いてもらえるような「身近な存在の話しやすい運転士さん」を目指していきたいです。 

【小向】お客様はもちろん、家族や上司の方々にも感謝し、皆様の信頼と満足を得ることを目標に日々邁進しています。自分の立場や考えだけで動くのではなく、色々な視点からの考えと柔軟な考えを持って仕事をしたいことです。そのために、自分の考えを持ち、相手がはっきりとわかる説明と丁寧な言葉遣いを心がけ、たくさんの方々とコミュニケーションを図っていきたいです。

上司に成長した、期待してよかったと思っていただけるよう日々勉強し続け、様々な資格を取得して多種多様な場面で活用し、地域に貢献できるよう頑張っていきたいです。幼い頃に抱いた“モノづくりの楽しさ”を忘れずにこれからも過ごしていきたいと思います。

【沢田】私の夢は消防隊として働くことです。消防隊での女性の活躍は前例があまりありませんが、今後は知識を積み、技術や経験を深め、もっと大きなことを任せられる人材になっていきたいと思っています。また、今、私が大変だと思っていることはこれから入ってくる後輩達も同じように大変だと感じ不安を感じると思います。その不安を少しでも解消する為に解決策を見つけ、道を切り開いていきたいと思っています。

【市長】男性の多い職場で頑張り、自分の将来を見据え自ら切り開いているという皆さんの活躍が伝わってきました。日本の社会や今後のことを考えると、女性が自分の能力をしっかり発揮できるようになることが重要であり、そのことが日本全体の発展に繋がっていくと思います。また、女性の活躍が増えることで男性とは違った社会の融和や働きやすさが広がっていくと思います。是非皆さんの後に大勢の女性の仲間がついてくるような活躍を期待します。

女性が活躍する上で八戸市に期待することは?

マイクを片手に、ご意見をいただいた女性達に、女性の社会参画に向けご活躍されることを願ってエールを送る市長の写真

小林 眞 (八戸市長)

【川村】バス運転士の仕事は、長い拘束時間に耐え、悪路を運転する精神的な強さや運転技術の向上と家族や周りの手助けが必要です。しかし、女性でもできるという前例があれば様々な分野に進出していけるはずです。そのためにどういう仕事なのかを知る場、アピールする場を設けてほしいです。男女問わず運転士が増えていけば、八戸市の公共交通がこれから維持されていくと思います。

【小向】講演会やフォーラムなどで実際に活躍している女性の話を聞くことにより、建設業界は男性の職場であるという先入観がなくなり、働く女性も増え、働きやすくなるのではないかと思います。また、上司は女性だから無理をさせてはいけないと思わず、まずやらせてみる事が大事です。男性、女性に関わらず、自分のやりたいこと、好きなことだからこそ、結果を出し輝ける、そこから女性ならではの発想が出てくるかもしれません。女性は出産や育児、介護を安心して行えるかという不安があると思います。そのための制度やフォローの仕組みを整えるのは難しいと思いますが、解決できない問題ではないと思います。

【沢田】これから、私たち女性消防士について地域の皆様に紹介できるように頑張りますので、消防で働く女性について是非発信できる機会を作っていただきたいです。それにより、多くの女性が消防という職業に興味を持ち、それがより充実した組織に繋がると考えます。

【市長】素晴らしい意見を承りましたので、今後仕事にしっかりと反映していきたいと思います。皆さんが先頭に立ち、切り開き、安心して働ける職を作り、それを成功例として提案すると次に続く人にとって希望や励みになると思います。様々な機会を通してお話や意見を聞かせていただく場を設け、女性の社会参画に向け、それぞれの持ち場で盛り上げていただきたい。

トーク参加者

  • 川村 奈津子さん(南部バス株式会社 八戸営業所 バス運転士)  
  • 小向 麻緒さん(株式会社石上建設 土木部 現場監督)
  • 沢田 成海さん(八戸地域広域市町村圏事務組合 八戸消防署 消防士)
  • 八戸市長 小林 眞
  • コーディネーター 小笠原 ちえ子さん(株式会社ビーエフエム パーソナリティー)

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