久保 節
久保 節(くぼ せつ)
慶応元年(1865年)~昭和29年(1954年)
-八戸市初代助役にして書道家-

久保節は上徒士町で生まれ、明治17年(1884年)に三戸郡公立中学校を卒業後、19年に看護兵として仙台鎮台第五連隊に入隊した。
日清・日露戦争で看護長として従軍したが、従軍中に書家・前田黙鳳(もくほう)に師事し、雅号「香石」と名乗った。
44年に除隊した後は階上村(階上町)に住み、三戸郡書記、助役を務めた。
大正7年(1918年)に階上村長、10年に湊村長となったが、その間、久慈-八戸線開通について階上村海岸沿いの敷設に奔走した。昭和4年(1929年)の八戸市制に伴って初代助役となり、三期10年務めた。
一方で書家としても活躍しており、商店の看板や記念碑などの揮毫を依頼される事も多く、市内には数多くの作品が残されている。代表的な書蹟に、三八城公園内の「八戸城趾碑」や市庁前ロータリーの「明治天皇八戸行在所(あんざいしょ)舊阯(きゅうせき)」の碑文がある。また、久保節所蔵の書道関係図書約500点は市に寄贈され、図書館で展示されている。

「明治天皇八戸行在所舊阯」は、明治14年の東北巡幸の際に明治天皇が宿泊された場所である。昭和10年4月にロータリー整備と合わせて碑が建立された。

八戸市立図書館2階の「久保節文庫」。書道関係の図書約500点が閲覧できる。
更新日:2020年01月16日