伊藤 吉太郎
伊藤 吉太郎(いとう きちたろう)
嘉永4年(1851年) ~ 昭和7年(1932年)
-私財投じ伊吉巡回文庫を設置-

明治18年(1885年)、八戸の二十三日町に書籍や楽器、体育用具の店を創業した。26年(1893年)には八戸で初めての活版印刷部を創設し、「商報」を配布したと言われている。
大正期に入ると県営の巡回文庫の活動がみられるが、それに先駆けて明治43年(1910年)、2台の伊吉巡回文庫で三戸郡下、32ヵ町村をくまなく巡回している。巡回文庫は、その書籍を1ヵ月間小学校教員室に常置し閲覧の便に供したもので、書籍に触れる機会の乏しかった当時の青年団や補習学校、小学校児童生徒に果たした役割は大きかった。利用者が多く、翌44年には3号車も誕生している。
明治期に民間の一書店が私財を投じて巡回文庫を設置したのは、おそらく例の少ないことであり、吉太郎が八戸の教育に与えた功績は誠に大きい。

伊吉商店外観

伊吉商店内観 昭和2年
更新日:2020年01月16日