八戸いちご
八戸いちごの歴史
昭和20年代の浜市川地区では、ヤマセの影響により、たびたび冷害に見舞われていたことから、農家の男性たちは北海道へニシン漁に出稼ぎに行っていました。
そのような中、昭和28年の出稼ぎ中に、農家の男性たちが嵐による漁船転覆事故で命を落としてしまい、その遺族たちの悲しむ姿を見た市立多賀小学校の細川重計校長先生が出稼ぎをしなくてもすむように、当時細々と作付されていた「いちご」の将来性と栽培技術を説いて回ったところ、浜市川苺生産組合(現在の八戸苺生産組合)の初代組合長となる木村徳男氏ら7人の農業経営者が生産に取り組み始めました。
その後、次第に栽培農家が増え、作付面積も拡大し、市川地区に本格的な「いちご」生産が定着したと言われています。
八戸いちごの生産状況
八戸市の市川地区に青森県内で最大の産地が形成され、「さちのか」「とちおとめ」「麗紅」などの秋から春に生産される品種に加え、夏から秋に生産される「すずあかね」「なつあかり」などの品種も生産されています。
品種の概要
さちのか
特徴
酸味が穏やかで甘味とのバランスがよく、また、香りはフルーティー。果肉は緻密で輸送性も優れる。
収穫時期
10~6月
育成地
福岡県
とちおとめ
特徴
甘味と酸味のバランスがよく、果肉はジューシーだが、緻密で輸送性にも優れる。
収穫時期
10~6月
育成地
栃木県
麗紅
特徴
コクのある甘味と酸味があり、濃厚な味。果肉はジューシーで果汁たっぷり。八戸の昔ながらの品種。
収穫時期
3~6月
育成地
千葉県
すずあかね
特徴
夏秋どり品種。酸味がはっきりしていて、甘酸っぱい香りが強く、業務用としての需要が多い。輸送性に優れる。
収穫時期
6~11月
育成地
北海道
なつあかり
特徴
夏秋どり品種。外観、食味に優れ、業務用としての需要だけではなく、生食用としても適している。また、輸送性に優れる。
収穫時期
6~11月
育成地
岩手県
作付面積の推移
(単位:ヘクタール)
平成7年 | 平成12年 | 平成16年 | 平成21年 | 平成26年 |
---|---|---|---|---|
73 | 66 | 47 | 32 | 16 |
八戸市調べ
販売数量の推移
(単位:トン)
平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 | 平成28年 | |
---|---|---|---|---|---|
八戸農業協同組合 | 62 | 67 | 59 | 52 | 53 |
八戸苺生産組合 | 183 | 181 | 175 | 156 | 153 |
計 | 245 | 248 | 234 | 208 | 206 |
八戸農業協同組合、八戸苺生産組合調べ
販売額の推移
(単位:千円)
平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 | 平成28年 | |
---|---|---|---|---|---|
八戸農業協同組合 | 56,998 | 65,592 | 55,172 | 53,602 | 61,831 |
八戸苺生産組合 | 215,086 | 207,114 | 194,725 | 189,560 | 195,849 |
計 | 272,084 | 272,706 | 249,897 | 243,162 | 257,680 |
八戸農業協同組合、八戸苺生産組合調べ
生産者数の推移
- 八戸農業協同組合:八戸農業協同組合振興野菜専門部いちご八戸支部会員数
- 八戸苺生産組合:八戸苺生産組合員数
(単位:人)
平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 | 平成28年 | |
---|---|---|---|---|---|
八戸農業協同組合 | 15 | 15 | 14 | 14 | 11 |
八戸苺生産組合 | 52 | 51 | 47 | 42 | 38 |
計 | 67 | 66 | 61 | 56 | 49 |
八戸農業協同組合、八戸苺生産組合調べ
八戸いちごの販売促進のための取組
八戸いちごマルシェ
八戸いちごクリスマスケーキづくり体験、八戸いちごや八戸いちごスイーツの販売、八戸いちご大福づくり体験、八戸いちごクイズラリー等を行う「八戸いちごマルシェ」を平成25年度から開催しています。
Let's eat 八戸いちご 親子スイーツづくり体験会
親子を対象に、八戸いちごをつかったスイーツづくり体験会を平成27年度から開催しています。
(これまで実施した内容)
- 八戸いちごドラ焼き、ワッフルケーキづくり体験
- 八戸いちごの生チョコデコレーションケーキづくり体験
- 八戸いちごパフェづくり体験
- 八戸いちごのデコレーションケーキ(クレープ仕上げ)づくり体験
- 八戸いちごバレンタインケーキづくり体験
- 八戸いちごロールケーキづくり体験 など
新作八戸いちごスイーツ発表会
八戸菓子商工業組合の協力のもと開発された「新作八戸いちごスイーツ」の特徴について紹介するとともに試食会も実施する「新作八戸いちごスイーツ発表会」を平成28年度から開催しています。平成28年度は13品、平成29年度は14品、平成30年度は13品、令和元年度は8品、令和2年度は14品の新作八戸いちごスイーツが開発されました。
八戸市長賞受賞作品
「新作八戸いちごスイーツ発表会」とあわせて、「新作八戸いちごスイーツ」を審査する「新作八戸いちごスイーツコンテスト」を実施しており、平成28年度はデコールの桑田義明さんが作製した「八戸苺ムース・オ・フレーズ」、平成29年度はデコールの小山真希さんが作製した「冬のイチゴムース」、平成30年度はノワ洋菓子店の久保圭之さんが作製した「にっこり苺」、令和元年度はリーベシムラの志村一雄さんが作製した「八戸いちごのストロベリーフロマージュ」、令和2年度はアルパジョンの福山昌弘さんが作製した「ヴェリーヌ・八戸いちご・フレ」が八戸市長賞を受賞しました。
この記事に関するお問い合わせ先
農林水産部 農業経営振興センター
〒039-1101 青森県八戸市大字尻内町字毛合清水29
経営支援グループ・生産振興グループ 電話:0178-27-9163 ファックス:0178-27-9166
更新日:2021年02月04日