水防法改正に伴う要配慮者利用施設における避難確保計画の作成等について
はじめに
近年、全国各地で豪雨による水害が発生しており、平成28年8月には台風10号等の一連の台風によって中小河川で氾濫が発生し、逃げ遅れによる多数の死者や甚大な経済損失が発生しました。こうした災害を受け、洪水等からの「逃げ遅れゼロ」と「社会経済被害の最小化」を目標に、平成29年6月に「水防法等の一部を改正する法律」(平成29年法律第31号)が施行されました。
その中で、要配慮者(高齢者、障がい者、乳幼児等の防災施策において特に配慮を要する方)は避難行動に時間を要することから、要配慮者利用施設の所有者または管理者に対して、洪水時等における利用者の円滑かつ迅速な避難を確保するため、避難確保計画の作成と、それに基づく避難訓練の実施が義務付けられました。【水防法第15条の3、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第8条の2】
要配慮者利用施設の所有者・管理者の皆さまへ(国土交通省作成チラシ) (PDFファイル: 465.7KB)
要配慮者利用施設とは
要配慮者利用施設には、次のような施設が該当します。
医療施設 | 病院、診療所(有床)、助産所など |
---|---|
教育機関 | 幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校など |
高齢者福祉施設 及び介護福祉施設 |
介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、 有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、 介護保険法に基づくサービス等を行う事業所など |
児童福祉施設等 | 保育所、認定こども園、認可外保育施設、 助産施設、乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、 児童自立支援施設、児童家庭支援センター、 児童館など |
障がい者福祉施設等 | 障がい者支援施設、地域活動支援センター、 就労移行支援、就労継続支援、 自立訓練、生活介護、療養介護、 共同生活援助(グループホーム)、 短期入所(ショートステイ)、 児童発達支援、医療型児童発達支援、 放課後デイサービスなどのサービス等を行う事業所 |
避難確保計画作成が義務化される対象施設
避難確保計画の作成等が義務付けられる要配慮者利用施設は、以下の要件を満たす施設が対象となります。
- 洪水浸水想定区域(注釈1)または、土砂災害警戒区域(注釈2)内に位置する施設。
- 八戸市地域防災計画の中で、その名称及び所在地が定められた施設。
令和5年3月時点での対象となる要配慮者利用施設一覧
要配慮者利用施設(洪水) (PDFファイル: 299.9KB)
要配慮者利用施設(土砂災害) (PDFファイル: 117.5KB)
注釈1 洪水浸水想定区域とは
洪水浸水想定区域とは、水防法の規定により国や県が指定する河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域のことで、国や県によって、指定河川ごとに区域が指定されます。浸水想定区域と浸水深を図面にしたものが洪水浸水想定区域図です。
八戸市内では、国が指定する「洪水予報河川」として馬淵川、県が指定する「水位周知河川」として浅水川、新井田川、五戸川、奥入瀬川が対象となります。
平成27年の水防法改正によって、洪水浸水想定区域を指定するための前提となる降雨について、これまでの河川整備の基本となる計画規模の降雨から想定最大規模の降雨に変更となりました。
各河川の洪水浸水想定区域図については、下記をご参照ください。
馬淵川水系洪水浸水想定区域図(国土交通省東北地方整備局青森河川国道事務所ホームページ)
注釈2 土砂災害警戒区域とは
土砂災害警戒区域の説明については、八戸市土砂災害ハザードマップのページをご覧ください。
要配慮者利用施設の所有者・管理者がすること
1.避難確保計画の作成
洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設の所有者または管理者は、下記を踏まえ避難確保計画を作成してください。
避難確保計画に定めるべき事項
- 水害や土砂災害が発生するおそれがある場合の防災体制に関すること。
例 水害等発生時に活動を行う班の組織体制(情報収集班、避難誘導班など)
班の役割(作業内容)、班が集まって活動を行う時期(洪水予報や土砂災害警戒情報を受け取った時など)、班の構成員 など - 施設利用者の水害等発生時における避難誘導に関すること。
例 避難先となる指定避難所や緊急避難場所、避難経路、避難方法(移動方法、誘導員の設置など)、避難時の注意事項 など - 水害等発生時の避難確保のための施設の整備に関すること。
例 洪水予報・土砂災害警戒情報・避難指示等の情報収集に使用する機材、避難誘導の際に使用する用具・装備品、施設内の一時避難のための飲料水、食料、寝具、防寒具 など - 水害等発生時を想定した防災教育、及び訓練の実施に関すること。
例 施設従業員を対象とした研修、避難訓練の実施計画 など - 自衛水防組織をおく場合は、自衛水防組織の組織体制、業務について。
別の災害についてすでに避難確保計画を作成している場合
消防計画や別の災害に対する避難計画を既に作成している場合は、「洪水編」「土砂災害編」などの形で、既存の計画に上記事項を追加してください。
避難確保計画作成のためのマニュアル(国土交通省作成)について
国土交通省では、要配慮者利用施設における避難確保計画作成の参考として、避難確保計画作成の手引きや様式、動画等を提供していますので、ご活用ください。
【最新の避難確保計画作成の手引き】
要配慮者利用施設における避難確保計画の作成・活用の手引き (PDFファイル: 5.5MB)
避難確保計画作成の手引き(様式編)社会福祉施設 (Excelファイル: 1.7MB)
避難確保計画作成の手引き(記載例)社会福祉施設 (PDFファイル: 4.2MB)
避難確保計画作成の手引き(様式編)医療施設 (Excelファイル: 1.9MB)
避難確保計画作成の手引き(記載例)医療施設 (PDFファイル: 7.9MB)
避難確保計画作成の手引き(様式編)学校 (Excelファイル: 1.9MB)
避難確保計画作成の手引き(記載例)学校 (PDFファイル: 7.6MB)
【動画】
要配慮者利用者施設における避難確保計画の作成・確認ポイント(国土交通省YouTube)
【リーフレット】
避難確保計画の作成・活用について (PDFファイル: 2.5MB)
【参考事例】
要配慮者利用施設における避難に関する計画作成の事例集 (PDFファイル: 25.0MB)
避難確保計画作成後の自己点検について
避難確保計画を作成したら、掲載事項に漏れがないか、決定内容に不備や不適切なものがないか、下記のチェックリストを活用して自己点検を行ってください。
学校においては、文部科学省が作成した危機管理マニュアルのチェックリストを活用して自己点検を行ってください。
社会福祉施設における避難確保計画チェックリスト (PDFファイル: 539.8KB)
医療施設における避難確保計画チェックリスト (PDFファイル: 472.7KB)
2.避難確保計画を作成、変更した場合の報告
避難確保計画を作成、変更した場合は、以下の書類を施設を所管する課に報告(提出)してください。
なお、避難確保計画を提出する際は、個人情報(個人の氏名や連絡先など)は空白にするか、黒塗りにするなど、見えないようにしてから提出してください。
提出書類
- 避難確保計画作成(変更)報告書 1部
- 避難確保計画 3部(紙で提出する場合)
避難確保計画については、PDF、エクセル、ワードなどの電子データでの提出も可。
避難確保計画作成(変更)報告書 (Wordファイル: 35.0KB)
提出先
要配慮者利用施設の種類 | 報告先 |
---|---|
病院、診療所、助産所など | 保健総務課 |
小学校、中学校など |
教育総務課 |
介護福祉施設 | 介護保険課 |
有料老人ホームなどの高齢者施設 |
高齢福祉課 |
障がい者福祉施設 |
障がい福祉課 |
保育所、認定こども園など | こども未来課 |
児童館、放課後児童クラブなど | 子育て支援課 |
上記にない施設ついては、港湾河川課にお問い合わせください。
3.避難訓練の実施
避難確保計画作成後は、計画に基づき避難訓練や情報伝達訓練を実施してください。
なお、令和3年5月の災害対策基本法等の一部改正により、避難訓練を実施した際、市長あて訓練結果を報告することが義務付けられたことから、避難訓練を実施した際は訓練実施後概ね1か月以内を目安に「訓練実施結果報告書」を作成の上、施設を所管する課に報告願います。
(訓練内容を分けて複数日で実施する場合には最後にまとめて報告することが可能です。)
【様式例】訓練実施結果報告書(学校) (Wordファイル: 40.0KB)
【様式例】訓練実施結果報告書(社会福祉施設) (Wordファイル: 39.5KB)
【様式例】訓練実施結果報告書(医療施設) (Wordファイル: 40.0KB)
4.避難確保計画の見直し・変更
八戸市では、令和2年3月に新しい「八戸市洪水ハザードマップ」を公表しました。これに伴い、洪水浸水想定区域や指定避難所などが、過去の洪水ハザードマップから変更となりました。また、早期立退き避難が必要な区域など新しい情報が掲載されております。
既に避難確保計画を作成済みの施設におかれましても、新しい洪水ハザードマップを確認し、必要に応じて避難先や避難経路の設定など、避難計画の変更を行ってください。
また、避難確保計画に基づいて防災訓練を実施した際は、円滑な避難の実効性を高めるため、防災訓練において生じた課題等を検討し、避難確保計画へ反映するなど、見直しを行ってください。
避難確保計画の内容を変更した場合は、忘れずに市の提出先へ報告(提出)を行ってください。
八戸市洪水ハザードマップ(令和2年3月版)について
八戸市では、想定最大規模降雨に基づく洪水浸水想定区域を反映した新しい「八戸市洪水ハザードマップ」を令和2年3月に公表しました。
避難確保計画を作成する場合は、新しい洪水ハザードマップを参考としてください。
令和2年3月に市内全戸配布したA1サイズの洪水ハザードマップは港湾河川課窓口で配布しております。
また、縮尺を大きくし、地域ごとにさらに細かく分割した「八戸市洪水ハザードマップ(詳細版・A3サイズ)」は市ホームページに掲載しております。
避難確保計画を作成しない場合
市では、避難確保計画を作成しない要配慮者利用施設がある場合は、施設の管理者等に対し必要な指示をする場合があります。
また、正当な理由がなくその指示に従わないときは、その旨を公表する場合があります。
お問い合わせ先
〇洪水浸水想定区域、洪水ハザードマップに関すること
建設部 港湾河川課
電話 0178-43-9386
ファックス 0178-43-8630
〇土砂災害ハザードマップに関すること
危機管理部 災害対策課
電話 0178-43-9225 / 0178-43-9564
ファックス 0178-45-0099
〇地域防災計画に関すること
危機管理部 危機管理課
電話 0178-43-2147
ファックス 0178-45-0099
〇避難確保計画の報告、点検に関すること
(医療施設)
こども健康部 保健総務課 総務企画グループ
電話 0178-38-0706
ファックス 0178-38-0735
(介護福祉施設等)
福祉部 介護保険課 介護事業者グループ
電話 0178-43-9292
ファックス 0178-47-0732
(高齢者施設等(介護福祉施設を除く))
福祉部 高齢福祉課 高齢福祉グループ
電話 0178-43-9104
ファックス 0178-43-2442
(障がい者福祉施設等)
福祉部 障がい福祉課 自立支援グループ
電話 0178-43-9343
ファックス 0178-22-4810
(保育所、認定こども園等)
こども健康部 こども未来課 認可監査グループ
電話 0178-43-9527
ファックス 0178-43-2144
(児童館、放課後児童クラブ等)
こども健康部 子育て支援課 家庭支援グループ
電話 0178-43-9342
ファックス 0178-43-2144
更新日:2023年05月25日