災害に伴う臨時市長記者会見
今回の地震により、被災された市民及び事業者の皆様並びに、避難を余儀なくされていた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
今回の地震における、現時点で判明している被害状況等といたしましては、人的被害として16名の方々が負傷され、また建物被害としては、全壊や半壊、一部破損が住宅や事業所及び公共施設約840軒に生じておりますが、被害状況の全体が判明するまでには、いましばらく時間がかかるものと感じております。
このような状況の中、私は、これまでに、被災現場や被災施設を視察するとともに、被災した住家や事業者を訪問し、直接お話を伺い、ニーズの把握に努め、職員に必要な指示等を行ってまいりました。
そして、これまで、
・罹災証明書及び被害届出証明書の早期発行や、
・市営住宅の一時提供、
・市税や国民年金保険料の減免、
・災害救助法による住宅の応急修理の相談、
など21の取り組みを行うとともに、新たに、
・保育料の減免
・児童扶養手当の所得制限の特例措置
・水道料金や下水道料金の減免
・各種被災支援制度の申請に必要な有料証明書発行手数料の免除
も始めるなど、市民や事業者の被災支援・復旧に資する対応を迅速に実施しているところであります。
また、JR八戸線の運休とNTTの鉄塔の損傷に関しては、JR東日本やNTT東日本に対して、JR八戸線の早期復旧や鉄塔の早期修繕等について要請書の提出や要望活動を実施してきたところであり、その成果もあり、JR東日本では、去る12月23日に12月30日午前9時台の全線運転再開を発表し、NTT東日本においても、同日に鉄塔の倒壊の可能性に関する、より詳細な検討を行った結果、倒壊の恐れがないことを確認したと公表いたしました。
JR八戸線については、全線運転再開のはっきりとした時期が示されたことで、心待ちにしていた利用者の皆様も安堵されていることと思います。私といたしましても、早期に復旧していただいたJR東日本には改めて感謝申し上げるとともに、年末の帰省が本格化するタイミングでの再開となったことを、大変喜ばしく感じております。
また、NTTの鉄塔に関して、当市では、NTT東日本の発表を受け12月23日午後8時30分に避難指示を解除するとともに、青森河川国道事務所では、同日午後10時に国道45号の通行止めを解除したところであります。
これまで長きにわたり避難を余儀なくされていた皆様には、住み慣れた自宅で一日も早く元どおりの生活に戻られますよう願っておりますし、国道45号の通行止めによりご不便を感じておられた市民の皆様には、通勤・通学をはじめとし、普段どおりの移動が可能になったことを大変うれしく思っております。
さらに、NTT東日本では、本日午前11時に、鉄塔の修復工事がすべて完了したことを発表いたしました。年内を目途とされていた同工事が、早期に終了したことは、NTT東日本や国、県等の技術支援チームが一丸となって対応に当った結果であり、NTT東日本を始めとする関係者の皆様に、改めて感謝申し上げますとともに、市民の皆様には、これから鉄塔の損傷に関し、不安を感じることなく生活して頂ければと存じます。
私は先日、国道45号の通行止めによる影響が大きい事業者を訪問して状況を確認したところ、いずれも客足が途絶え厳しい状況にあるなどのお話をいただいたことから、その後、商工会議所と市が連携して、国道沿線の事業者を対象に聞き取り調査を行い、昨日、取りまとめた声をNTT東日本にお伝えいたしました。
このたびの地震で被災した事業者に対する支援策につきましては、これまでも、事業用資産の被害について被害届出証明書を発行しているほか、青森県が実施する経営安定化サポート資金特別保証制度の災害枠について信用保証料の全額補助を行っております。
また、日本政策金融公庫が行う災害復旧貸付をはじめ、関係機関の支援策についても市ホームページに取りまとめて掲載しているほか、すでに掲載しているまちなか空き店舗情報について、今後、不動産関係団体と連携し、情報の充実を図ってまいります。
さらに、こうした従来からの取組に加えまして、国道の通行止めにより影響が大きかった店舗や、地震により事業用資産に被害を受けるなど、被害届出証明書を申請した店舗にお声掛けさせていただきまして、年明け1月9日金曜日の16時から19時の時間で、マチニワ内で「八戸を元気にしよう!マチニワナイトマーケット(被災事業者応援企画)」を開催することとしており、出店店舗については飲食店を中心に、現在調整中でございます。
マーケットの開催により、被害や影響を受ける店舗の再起の場とするとともに、中心街に人の流れを呼び戻すきっかけにしていきたいと考えており、このほかにも何らかの支援ができないか、関係機関と調整を行っているところであります。
次に、当市の産業に重要な役割を果たす八戸港については、24日に、国土交通省東北地方整備局や青森県、そして関係団体で組織する「八戸港復旧検討会」が開催され、本年度内を目途として、本格復旧の手法やスケジュールを示す方針であるとのことであり、迅速な対応に感謝申し上げますとともに、市といたしましては、八戸港の一日も早い復旧が図られることを期待しております。
去る12月23日から24日にかけては、国に対し、今回の被災状況の報告と復旧・復興に向け、被災された方々への支援や、重要インフラ等の復旧・復興に要する経費に対する財政支援、及び事業者が早期に事業の再開や継続ができるための各種補助金の適用・拡充などの要望活動を実施し、各省庁においては、復旧に向けてしっかり支援していく、あるいはできる限りの支援をしていきたいといった、大変心強い、前向きなご発言をいただいてきたところであります。
また、あわせて、当市への防災庁の地方拠点の設置についても要望し、当市のもつ優れたポテンシャルについて理解を示していただいたところであります。
今後も、必要に応じて、国への要望を継続して参りたいと考えております。
さらに、この上京の機会を捉えて、短い時間ではありましたが、当市への観光需要を喚起するため、八戸都市圏交流プラザ「8base」前において観光パンフレット等を配布し、順調に復旧しつつあること、安心して来訪いただけることを首都圏の皆様に呼びかけてきたところであり、多くの観光客が当市へ足を運んで頂ければと思っております。
市といたしましては、今後も、被災された皆様の日常生活を一日も早く取り戻すため、国や県をはじめ関係機関と連携・協力し、早期の復旧に向け全力で対応してまいります。
明日以降、市内では順次年末年始の休みに入られることと存じますが、万が一、発災した際には迅速に対応できるよう、当市では引き続き災害対応の体制を維持してまいります。
市民の皆様には、年末年始も含め、命を守ることを最優先に、日頃から地震や津波などの災害への備えについて、万全を期すよう、お願い申し上げますとともに、経済活動を自粛することなく、通常の社会活動をお願いします。
「1月臨時議会に提出予定の事業(案)」について
1月9日に開会の臨時議会に提出予定の八戸市の物価高騰対応と震災復興支援を目的とした事業についてお知らせいたします。
長引く物価高騰に加え、先日の地震により、市民生活が大きな影響を受けている中、 今回は、物価高騰対策にとどまらない、震災復興を見据えた支援パッケージとして、国の重点支援交付金を活用し、物価高騰と地震の影響を受けている市民や事業者を支援し、復興への歩みを着実に進める取組を実施いたします。
本パッケージでは、「家計応援商品券配付事業」と「食のまち・八戸応援食事券事業」の2つの事業を実施いたします。
まず、1つ目の「家計応援商品券配付事業」でありますが、市内登録店舗で使用できる商品券、市民1人当たり8千円分を配付いたします。
今回配付する商品券は、お米を含めた、食料品や生活用品、飲食店等、幅広い分野に利用できるように設定する予定であります。
利用期間は、令和8年5月からを予定しております。
次に、2つ目の「食のまち・八戸応援食事券事業」でありますが、市内飲食事業者におきましては、私も現場を視察しましたが、地震による建物や食器への被害に加え、自粛による予約のキャンセル等が発生するなど、経営面においても影響が生じており、大変苦しい状況であると認識しております。
こうした物価高騰と地震による大きな被害を受けた市内飲食店を支援するため、飲食店で使用できる食事券を販売するものであります。
- プレミアム率は60%とし、8,000円分の商品券を5,000円で販売いたします。
- 販売セット数は20,000セットを予定しており、応募多数の場合は抽選とし、
- 利用期間は、令和8年4月からを予定しております。
総事業費約20億円となる、八戸市物価高騰・震災復興支援パッケージの予算化に向けて、来年1月9日に開催予定の臨時議会へ提出するとともに、予算成立後には、速やかに事業を実施してまいりたいと考えております。
また、その他の災害復旧関連の予算措置については、速やかに対応が必要な公共施設の復旧経費は、既決予算及び予算の流用によって対応しております。
その他、災害救助法に基づく住宅応急修理などの被災者支援経費については、早急な予算措置が必要になることから予備費により対応するほか、復旧事業費の算定に時間を要するものについては、事業費がまとまった時点で、順次、専決処分や臨時議会を開催していただくなどの予算措置を検討していきたいと考えております。
私といたしましては、八戸市の物価高騰・震災復興支援パッケージを着実に進めながら、既に実施している個人向け・事業者向け支援制度による迅速な対応を行うとともに、今後、復旧に向けて県でも需要喚起等の支援策を実施されるとのことですので、引き続き県との連携を図りながら、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
更新日:2025年12月26日