記者会見 令和7年5月21日
発表内容
「ハマる、ハチノヘ。」観光振興プランについて
それでは、「ハマる、ハチノヘ。」観光振興プランについて御説明申し上げます。
3月の記者会見において本プラン素案について御説明したところでありますが、このたび、パブリックコメントを終え、また今月16日に第7回目の観光振興審議会を開催し、「ハマる、ハチノヘ。」観光振興プランが完成となりましたので、改めて御説明いたします。
4月10日から5月9日までの期間で実施したパブリックコメントでは、4件の貴重な御意見をいただきました。
御意見の概要は、パワーポイントでお示ししているとおりでありまして、内容を精査し、検討を重ねた結果、プランの基本的な方針や方向性と整合しておりますことから、プランの修正は行わず、原案のまま確定することといたしました。
プランの概要につきましては、3月の記者会見と内容が重なりますので、簡単に御説明させていただきます。
当プランの将来ビジョンは、
「ハマる、ハチノヘ。~ふれる旅から、ふれあう旅へ。~」といたしました。
次に、基本方針でありますが、
1.観光消費額の拡大、2.持続可能な観光の確立、3.市民幸福度の向上
の三つの方針を掲げ、それぞれ数値目標を設定しております。
今後のスケジュールにつきまして、本年7月と9月をめどに観光振興審議会を開催し、アクションプランを作成して、具体の事業に取り組んでまいります。
施策の中で、優先的に取り組む三本柱として1.食のまち・八戸の推進、2.三陸復興国立公園「種差海岸」の魅力向上、3.インバウンド対応の充実、の三つを掲げておりますが、私が特に重視している「食のまち八戸の推進」につきましては、一昨日、VISITはちのへと連携し、八戸の食を深掘りし、八戸ならではの観光コンテンツを創造する検討会を、2名のアドバイザーを招聘して開催するなど、アクションプランの策定と並行して、既に進めている事業もあります。
また、「種差海岸の魅力向上」につきましては、先月23日に八戸十和田トレイルの試験開通が始まり、みちのく潮風トレイルとの連携の必要性を感じておりますほか、芝生地周辺では複数の民間施設がオープンするなど、民間による取組も出てきておりますので、八戸駅のゲートウェイ機能の強化やJR八戸線の利便性向上、さらにはインバウンド対応の充実と連動させて、更なる受入体制の強化に取り組んでまいります。
最後に、観光振興は、地域の持続可能性を支える手段として大変有効であり、観光による地域づくりを担う我々観光行政は、将来の観光の姿を示し、その熱意と覚悟を持って、地域を支える総合産業としての観光をいま一度スタートさせる必要があると考えております。
そのため、私自身、内外の各種プロモーションイベントにおいて、トップセールスを行い、観光PRや販路拡大を行っていく予定であります。
八戸に行けば何かある、忘れられない人がいる、出会いがある、こんな「ハマる、ハチノヘ。」を、市民の皆様と共に一丸となって創り上げるべく、観光振興プランの施策を通して、八戸の未来づくりに挑戦してまいります。
以上であります。
案件に関する質疑
1.「ハマる、ハチノヘ。」観光振興プランについて
Q.記者
現在、八戸市内外で計画されているイベントはありますか。
A.市長
スケジュールは、まだ確定していませんが、今年度の政策として、羽田空港内レストランでの八戸の食フェアの開催や昨年も実施した、首都圏の大手スーパーによる八戸フェアの開催を予定しています。
Q.記者
観光振興プランの素案の説明の際に宿泊税を導入することに対して検討するという発言がありましたが、改めて詳細をお伺いします。
A.市長
現状では、宿泊税の導入についての検討は進めていませんが、今回策定した八戸市観光振興プランにおいて宿泊税の導入を検討することとしていますので、来年度以降適切な時期に宿泊税の導入の可否を検討してまいります。
Q.記者
宿泊税を導入することで得られる財源はどのような施策分野に充てられるのでしょうか。また、宿泊税導入について結論が得られる時期等がありましたらお聞かせください。
A.担当者
宿泊税とは、ホテル等の宿泊時に課せられる税ですが、得た財源は観光振興事業に使用することを想定しています。
また、宿泊税導入の可否の結論につきましては、観光振興会や市議会との話し合いを進めていく中で、その時期も見えてくるものと考えています。
宿泊税を導入している自治体では、すべての宿泊施設が賛成しているわけではない、という話も伝わっていますが、成功している自治体もありますので、先行自治体で起こっている問題などを情報収集しながら検討を進めてまいります。
その他の質疑
1.みちのく記念病院の事件について
Q.記者
みちのく記念病院の事件について、改めて市長の受け止めをお伺いします。
A.市長
みちのく記念病院の事件につきましては、安全安心な地域医療への信頼を大きく損なう事案であり、病院と指導監督する役割をもつ保健所設置地として、大変重く受け止めています。市といたしましては、今後も地域において良質かつ適切な医療が提供される体制が確保され、市民が安全安心な医療を受けられるよう関係法令に基づき市内全ての医療機関に対し、適正な指導、監督を徹底してまいります。
Q.記者
みちのく記念病院に対する医療法第25条第1項に基づく立入検査は適切かつ十分に行われていたとお考えですか。また、医療法第25条第1項に基づく立入り検査を実施するにあたって、検査対象に対して事前に通知を行うこととなっていますが、実施のあり方について制度上の課題や不備を感じますか。
A.市長
みちのく記念病院を含む市内の各病院に対しては、定期立入検査等を通じて、反復継続的に助言・指導を行ってまいりましたが、みちのく記念病院における不適正な事実関係が明らかになったことから、市といたしましても従前の検査体制を見直していく必要性があると感じています。
立入検査は、継続的に毎年実施する定期立入検査と法令違反等が疑われる場合に実施する臨時立入検査に分けられますが、臨時立入検査の実施にあたっての事前通知は必ずしも必要ではないことから、今後は立入検査の目的・趣旨を十分に勘案したうえで制度の範囲内で適切な運用に努めてまいります。
Q.記者
立入検査前の通告は必ずしも必要ではないということですが、今後検査のあり方を検討する中で、無通告や、通告後すぐに臨時立入検査を実施する可能性があるという認識でよろしいでしょうか。
A.担当者
通告をせずに実施した方が効果的であると考えられる場合は通告なしで実施することも想定しております。また、病院内で検査に対応できる方が限られる場合などには、あらかじめ担当者に時間を確認してから実施することもあると思います。適宜状況に応じて考えてまいります。
Q.記者
みちのく記念病院の運営や医療体制の実態を今回の事件以前から認識はされていたんでしょうか。また、認識していたとすれば、改善できなかったのはなぜでしょうか。認識していなかったとすれば立入検査などで把握できなかったのはなぜでしょうか。
A.市長
今回の事案につきましては、臨時立入検査を複数回実施する中で、病院の意思決定や、マネジメントのあり方等の課題が大きいと考えており、定期立入検査において明らかにすることが難しい側面もあったと考えていますが、過去の立入検査を振り返り、検査体制の見直し、指導・監督のあり方などについて、保健所に検討させています。
Q.記者
定期立入検査などで把握できなかったことについてどのような要因があったと考えられますか。
A.担当者
通常の立入検査は、例えば設備の状況や、医師の状況などを検査するものです。今回の複数回に及ぶ臨時立入検査においても、マネジメント体制や意思決定のあり方は確認事項ではないため、通常の立入検査の中では深く追及することがなかったというところに課題があったのではないかと思います。
Q.記者
検査の方法について今後は改善をしていくことを考えているということでよろしいでしょうか。
A.市長
はい。
Q.記者
3月7日に実施された改善勧告の後、病院は実際に改善を行ったのでしょうか。市として具体的に把握している内容を教えてください。
A.市長
市並びに県では、3月7日の改善勧告以降も立入検査等を通じて事実認定のために必要な措置を講じており、病院側の改善状況等についても継続的に確認を行っています。市といたしましては、今後こうした事案が生じないよう、再発防止に向けて適切な措置を講じて行きたいと考えており、これらの内容が決定した段階で必要な公表を行ってまいります。
Q.記者
改善勧告に対する報告書は病院から提出されていますか。
A.担当者
はい。その内容を受けまして、さらに立入検査を継続しています。
Q.記者
県とは、連携していますか。
A.担当者
県の医療薬務課と連携をとっています。
Q.記者
報告書の改善内容については、市が求めたすべての項目に対して回答がされていますか。
A.担当者
市には改善した内容が提出されていますが、その内容が適切に実施されているか、更に継続して検査しているところです。
Q.記者
改善内容の提出を受けて、立入検査を継続しているということは、それが適正なのかどうかを県と市で評価中ということですか。
A.担当者
はい。
Q.記者
みちのく記念病院やほかの医療機関への指導・監査について改善すべきと感じている点はありますか。ある場合、改善点と今後の進め方についてどのようにお考えですか。
A.市長
今回の臨時立入検査で明らかになった不適正な事実関係がこれまでの立入検査では判明してこなかったこと等を踏まえ、過去の立入検査を振り返り、検査体制の見直し、指導・監督のあり方等について保健所に検討させています。
Q.記者
みちのく記念病院従事者の方で公益通報を行ったと話している方がいらっしゃるのですがその事実はありますか。
A.担当者
公益通報につきましては、通報者保護の観点を重視しながら今年度施行した要綱に則って対応をしているところですが、公益通報を受理したかどうかについてはお答えを差し控えさせていただきます。
Q.記者
それでは、受理の有無ではなく通報の有無についてお伺いします。
A.担当者
通報の有無に関しましても、お答えは差し控えさせていただきます。
Q.記者
公益通報の有無を受けた事実をお答えいただける機会はありえますか。
A.担当者
内部通報、情報提供の有無を明らかにするということ自体が原則として通報者の不利益に繋がる可能性があるということでご理解ください。
Q.記者
市と県だけではなく、国も監査や診療報酬の件で検査に入っているという現状を市長はどのようにご覧になっていますか。
A.市長
それだけ重い事案だと受け止めています。
Q.記者
国の検査の結果、診療報酬に問題があると判断された場合、保健医療機関の取り消しなどの重い処分が下る可能性があり、病院の運営が立ち行かなくなる可能性もあります。地域医療に大きな影響を与える可能性を市長はどのように感じていますか。
A.市長
仮の話ですので、この場でのお答えは差し控えさせていただきます。
2.Jリーグキャンプの誘致について
Q.記者
Jリーグが2026~2027年シーズンから8月開幕となります。県内の自治体でもクラブチームのキャンプの誘致を検討しており、青森市や弘前市でもそれぞれ市長会見で検討に前向きな意向を示されています。今後、県がリストアップする候補地に八戸市内の競技施設が含まれる見通しですが、市として誘致に関する考えや現状の認識を伺います。
A.市長
Jリーグキャンプの誘致により、Jリーグのクラブやキャンプを見学に訪れた観光客などからもたらされる経済効果や波及効果、各クラブの練習を身近で見ることでの競技力向上や競技人口拡大などサッカーを通じたスポーツの振興、Jリーグクラブの選手や指導者と市民との新たな交流の機会の創出など、多くのメリットがあると考えています。
一方、Jリーグの各クラブ側が求める条件や環境を整えるためには、市民の利用への影響、施設の改修等の課題や懸案事項もあり、今後各クラブが求める条件を精査していく必要があると考えています。
また、Jリーグキャンプは単独のクラブ誘致という観点だけではなく、複数のクラブが近隣でキャンプを行い、練習試合のできる環境も求められているとの情報もありますので、誘致は広域的に活動を展開していくことが有効であると考えています。
そのため、広域的にJリーグキャンプの誘致を目指している青森県や県内市町村と連携協力をしながら、本県での国スポ開催を終えた2027から2028シーズンからのキャンプ誘致を進めていくことを想定しています。なお、今年度、県の事業で、Jリーグキャンプ誘致視察ツアーが予定されており、当市としても協力していきたいと考えています。
3.江藤農林水産大臣の辞任と、後任の大臣への期待について
Q.記者
米の価格高騰を巡る不適切な発言によって江藤農林水産大臣が辞任し、後任に小泉進次郎元環境大臣が就任する見通しとなっています。米の価格高騰や、それに伴う品薄感とその物価高に直面する市民の不満をなお高めている状況にありますが、今回の発言は市長としてどう受け止めているのか。また、後任の農林水産大臣に期待すること、求めることがありましたらお聞かせください。
A.市長
市民を初め多くの消費者が物価高騰、米価格の高騰に苦しんでおり、国はその対応として備蓄米の流通促進に取り組んでいたところと認識しています。
このような中、担当する大臣が国民の感情に寄り添っていない発言をしたことは誠に遺憾であると受け止めています。今後、国に対しては、備蓄米の流通促進などによる米の需給および価格の安定化に向けた取組みを一層進めていただきたいと考えています。
4.消費税の減税について
Q.記者
夏の参院選を控え、物価高騰などを受けた対策として、野党を中心に消費税を減税するべきとの声が上がっています。消費税の減税に対する市長のお考えをお伺いします。
また、消費税は地方消費税交付金として市町村に交付されていますが、市財政の影響についても何か試算などがあればお伺いします。
A. 市長
物価高騰対策の一つとして消費税減税について様々な議論がされていることは承知しています。
消費税減税につきまして、物価高騰対策として、直接家計負担の軽減に繋がる効果的な対策であるということは理解をいたします。
しかし、少子高齢化社会の中で、減税に関わる恒久的な代替財源の確保が大きな課題であると認識しておりいます。
消費税は社会保障と税の一体改革において、社会保障制度の財源確保のため、税率が引き上げられてきた経緯があることから、減税に代わる財源の確保についての議論が必要であると考えています。
地方財政を預かる立場としては、地方の財政運営に影響が生じることのないようにしていただきたいと考えており、現段階においては国の動向を注視してまいります。
5.出産費用の自己負担無償化について
Q.記者
厚生労働省とこども家庭庁の有識者検討会の中で、2026年度を目途に、標準的な出産費用の自己負担無償化に向けた具体的な制度設計を進めるべきとの提言を取りまとめて、政府は今後出産費用の自己負担の無償化について具体的な制度設計を進める方針です。
出産費用の無償化の是非と、地方が直面する人口減少への効果をどのようにお考えになるか、また出産費用の無償化で市長が懸念されていることなどがあればお伺いします。
A. 市長
出産費用無償化の是非については、経済的な負担が軽減されるため、出産費用の無償化による出産を足踏みされている方にとっては有効な政策の一つになりうることから、出生率の向上が期待できるものと受け止めています。こうした国の動きに加え、市といたしましても子どもファースト事業を掲げていますが、妊娠出産に係る経済的支援や育児環境の整備や、子育て支援教育など妊娠から出産、子育て期までの切れ目のない総合的な支援を推進してまいりたいと考えています。
人口減少や少子化という観点から申し上げますと、出産費用の無償化によりどの程度出生数が増加するか、あるいは出生率が向上するかは推し量ることはできませんが、一定程度直接的な効果が表れることは期待できるのではないかと考えています。
出産費用を無償化した際の懸念についてですが、2026年度から子ども・子育て支援金制度もスタートするところであり、国の制度設計に当たっては、公費、保険料、自己負担とのバランスをどう取っていくのか、国民の過度な負担にならないよう、十分に配慮して進めていただきたいと考えています。
Q.記者
青森県内は医師が少ないと言われおり診療科が偏在していることも言われていますが、出産費用を無償化にすると、病院によっては従来に比べ診療報酬が下がってしまうリスクが問題視されています。その点について、市内の状況を踏まえてどのようにお考えでしょうか。
A.担当者
現在分娩を取り扱う4か所の機関によって市の分娩提供体制を支えていただいております。
市内の一部の病院からは、現段階での状況で無償化が始まると経営が難しいが需要があれば状況に合わせて、医師の確保や環境整備等を進めて対応していきたいというお話は伺っているところです。
6.櫛引地区行政代執行工事現場の水質測定結果について
Q.記者
櫛引地区のPFOS(ピーフォス)が検出された件について市内で初のケースだと思いますが、詳しいご説明をお願いします。
A. 市長
現場近くの井戸におきまして、PFOSの含有量が暫定指針値を超過したことは誠に遺憾でありますが、最下流の井戸では暫定指針値を下回っていることから、現時点では影響範囲は限定的であり、直ちに市民の生活に影響を与えるとは考えにくいものと認識をしています。
今後は定期的なモニタリングを継続していくとともに、万が一、最下流の観測井戸でも暫定指針値を超過するような場合には、速やかに周辺住民に井戸水の飲料用の使用を控えるよう注意喚起するなど、市民に健康被害が生じないよう、しっかりと対応してまいります。
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更新日:2025年06月17日