【八戸特派大使通信】第19回 林 芳輝

更新日:2020年01月07日

林 芳輝(はやし よしてる)/岩手大学名誉教授、作曲家

「八戸大使館」の看板の両脇に立っている林 芳輝さんと女性の写真

昭和40年3月東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。 大阪音楽大学・東京音楽大学・日本体育大学などを経て岩手大学に赴任。現在名誉教授。

【著書】青少年のための現代音楽入門他・ニュー グローヴ音楽大事典にショパンに関する論文3編が目録掲載。

【作品】筝と管弦楽のための狂詩曲、歌劇「雪女」他歌曲多数。LP・カセットなどあり。

東京芸術大作曲科を目指して私が八戸市を離れたのは、八高卒業の翌年昭和29年。当時の八戸には芸大受験を指導できる指導者はなく(現在は?)、弘前大学にさえ人材なし!それほど青森県は芸術不毛の地だった。そんなわけで故・大嶋勇太郎氏(当時県議会議員)の助言で上京、その後は幸運に昭和35年に芸大作曲科入学、在学中から作品発表、大学4年4月 (昭和39年オリンピック)から翌年3月まで某大手新聞社の音楽記事を書いた。卒業後は八戸に貢献したいと考えたが私を必要とする場所がなかった。以来50年余が経過。昭和55年に岩手大学に赴任。

赴任当時、八戸市民がオペラを手掛け、関係者から楽譜をみせられ、意見を求められた事がある。しかし旋律も管弦楽書法も稚拙、宝塚歌劇よりひどい素人の作品だった(私の後輩の作曲家は起用されなかった)。同じ時期、大分県民オペラ(清水 修 作曲)や神奈川県民オペラ (三枝 成彰 作曲 ) が地域興しに市民オペラを世界に輸出していた。地域興しは自分達に目を向けさせる事。偽物はだれも振り向かない。八戸市の芸術同好の方々は、専門家をうまく適所に起用する感覚を養ってもらいたいし、今後は地元紙に真贋を判断できる記者の養成も図ってもらいたい。

八戸の状況を踏まえ、現代芸術の啓蒙をかねて昨年、八戸地区声楽家諸氏の協力を得て日本作曲家協議会主催「現代歌曲の夕べ」を開催した。その時出演した山谷常雄氏を「東北の作曲家」 が指名、今年8月に仙台の現代歌曲の会に出演した。 この事実は「本物をやれば世間は注目する」証拠である。

このたび大船渡市に私のファンの協力とご好意で「八戸大使館」の看板を建てました(女流書家・津田 静月 女史揮毫  )。 これを機に八戸圏と三陸圏との多方面な交流を図る計画。

(「広報はちのへ」平成18年 11月号掲載記事)

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