平成20年度新採用職員への訓示(平成20年4月)

更新日:2020年01月09日

  • 日時:平成20年4月1日(火曜日)午前9時50分
  • 場所:市庁別館2階 会議室C

それでは、平成20年度の八戸市新採用職員の辞令交付式にあたり、ひとことご挨拶申し上げます。

まずは、今日から八戸市職員として、新たな人生の門出に立たれた皆さんに対し、心から祝福を申し上げます。おめでとうございます。

みなさんは、大変難しい試験を経て、今日晴れてこの場に立たれています。そのことに誇りと自信を持って、これから八戸市職員として市民の生活の福祉向上のために全力を尽くしてほしいとお願いしたいと思います。

何点か、これからの公務員生活を送るにあたって、私からの希望を申し上げたいと思います。

ただいまも、宣誓書を代表二人が読まれました。あれは単なる宣誓といってはおかしいですけれども、宣誓の内容は、誓いをしなくても当然のことであって、法律に書いてあります。先ほど二人が読まれたことは法律上の事項でありまして、それを改めて宣誓という形で誓う、宣誓自体も法律に書いてあるものです。

法律という大きな枠組みの中で公平公正な仕事をしなければならないという立場になった、普通の仕事とは違うということをまず自覚をしていただきたいと思います。全体の奉仕者という言葉もございましたけれども、市民の幸せのために尽くすということが自らの仕事になったということを、充分自覚していただきたいと思います。

「地方自治の本旨」ということも出てまいりました。憲法に書いてあるのですが、地方自治の本旨とは一体何かということは、学説とかいろいろあるわけですが、明確でないというのが実は本当のところでありまして、言っているようであって、必ずしもそのことがどういうことを意味しているのかというのははっきりしていないというようなこともあります。

憲法改正の議論がいろいろありますけども、その議論の中で、地方自治の本旨というものをもう少し明確にしようという議論があります。憲法9条のことだけが言われていますが、そうではなくて、地方自治と言うものが、日本国民の幸せを実現する上で非常に重要だということをもっと明確に憲法上位置づけていこうという議論がありまして、いずれ憲法改正ということになってくると、そのことのほうが、むしろ国民生活にとってより重要になってくると思います。

今大きな流れとして、地方自治体の仕事、地方自治体のあり方というのが、国民の幸せにとって非常に重要だということになってくると思っています。

地方分権ということが言われています。最近は地域主権という言葉も出てきておりますけども、国の行政の中で、地方分権というのはここ十年くらいで進みました。平成12年の地方自治法の改正をはじめとして、地方分権一括法という法律が通りまして、国・県・市町村がまったく対等の立場で仕事をするんだということが明確にされました。

それまでは例えば、学校で勉強した方もおられるかもしれませんけれども、機関委任事務などというものがあって、これは、市役所・あるいは県庁の職員だけれども、国の大臣の命令で仕事をするという仕組みが、実はありました。ある意味で、半ば国家公務員として働いていると。議会には、それぞれ市町村議会、県議会があるわけですが、その議会の権限の及ばない、法律上国の役人として仕事をしなければならないというのもあったのですが、それは平成12年になくなって、地方自治体というのは独立してすべての仕事を自分の判断でやるのですと。国の仕事としてやるものについても、正式に、法律的な委任という形で、頼まれてやりますという仕組みに変わりました。

そういう意味で、今大きく制度が変わった、そして今第二の地方分権改革ということで、国で次の段階、より地方に権限・事務が来るという方向での議論がなされているということであります。その大きな流れの中で、皆さんは地方公務員になられた、八戸市の職員になられたということをよく理解してほしいと思います。

それから、道州制ということも今言われています。まだ国民一般の議論にはなっていませんけれども、これはいずれ避けて通れないような形でわれわれの仕事の中に降りかかってくるような話になってくると思っています。

道州制というのは、ただ単に都道府県を集めて、ブロックに分けて、県をなくして合併させるというものとは意味合いが違います。国の道州制ビジョン懇談会という審議会がありますけれども、これはホームページもありますから、どんな議論がされているか見ていただければわかるのですが、要は、国あるいは県でやっている仕事、その重複していることを整理しましょうと。それから、より多くの仕事を、基礎的自治体、市あるいは町村に担ってもらうという大改革であります。

明治維新のときに、国・県・市町村という仕組みができたわけですが、それを大きく変えて、仕事の割り振りも大きく変えていくと。より国民あるいは住民の近いところで意思決定をして、仕事をしましょうということであります。

非常に大きな改革で、それがこれからの日本の新たな活力を生み出す元になるという、そういう認識のもとに今議論がされています。いつの話だということですが、懇談会の中では、中間報告の素案を議論していて、その新聞報道では、2018年を道州制移行のターゲットにしようということであります。たった10年です。本当にできるかどうかというのはありますけども、それくらいの意欲で国で議論がなされている。

そうすると、いろいろと変わってくると思います。県の職員でいる人とか、国のブロック機関の職員でいる人、こういった人たちは、場合によってはどこかに配置転換をしなければならない。そうすると、皆さんが、もしかすると、八戸市職員として今日から働くわけですが、そういった人たちと同じ八戸市の職員として仕事をするようになるということも十分考えられるわけでありまして、そういった意味では、これから大きな地方自治制度が変わってくる、あるいは基礎的自治体がいろんな仕事をするということになると、町村という存在が今のままでよいかというようなことも出てくると思います。もう少し違った形にしていこうとか、制度が大きく変わっていく可能性が十分あるということも見極めながらというか、日々の仕事をしていくと、ついそういったことに気をとらわれなくなると思いますが、大きく変わっていく中で自分の仕事もあるんだということを考えていただきたいと思います。

八戸市の職員は非常に優秀だと言われます。私もそうだと思います。私も国で仕事をしました。県でも仕事をしましたけれども、ここだけの話、県内の他の市町村の職員に比べたらダントツに優秀であります。それはおそらく、法律とか制度を日ごろから研究しているというのもありますけれども、他の自治体の先進的な仕事のやり方にアンテナを高くして、情報を集めて、八戸市でやればどうなるかということを常に考えているという風土が、この八戸市役所という職場の中にあるからだと私は思っています。

私も努めていろんな決裁や相談に、みなさんの上司が来るときに、他ではどうしているかということを聞きますけれども、非常にすぐ反応が返ってきます。こんなところではこのようなことをやっています、というようなことがあります。

ですから皆さんも、これからいろいろ仕事をやっていく、いろんな課に配属されるわけですけども、他の団体がどんなことをしているかということも含めて、では八戸市でやるとすればそういうこともできるのかということも常々考えながら仕事をしてほしいと思っています。

それから、非常に大事なことは、市民の目線でものを見てほしいということです。

最近市役所は非常に評判が良いです。丁寧に親切に、いろんなことを教えてくれるようになったとよく言われます。ただ、一部まだ、「市長への手紙」というのがありまして、市役所の職員に怒られたとか、つっけんどんにされたとか、まったく無視されて長時間待たされた、というのもたまに来ますけれども、総じて非常にいい職場ができてきていると思います。これからいろいろ研修などで接遇とか勉強すると思いますけども、仕事をしていくといろんなことを覚えていくわけです。当然知識も増える、制度についてもわかってくる。ただ、来られる市民のみなさんは白紙であります。当然仕組みについては素人でありますから、何でわかんないんだろうとつい思ってしまうんですけれども、そういうことがないように、まさに市民の目線でこれから仕事をしていただきたい。

八戸には、「広報はちのへ」という広報誌がありますが、みなさんのひとつひとつの市民に対する応接の仕方、そのひとつひとつが広報だと、ひとりひとりが広報マンだという、そういった一人ひとりの市民との応対の総和がまさに市の行政そのものでありますので、丁寧にやさしく接するということを心がけてほしいということを申し上げたいと思います。

不安もあるかもしれません。しかし大丈夫です。みなさん本当に優秀な成績で市役所の職員になられました。期待をしています。八戸市が今変わろうとしている、私は変わらせようとしているのですが、前向きに、元気なまちにするために様々な仕事に取り組んでいます。新しく取り組んでいる仕事がたくさんあります。みなさんの職場でもそういうことがあると思いますけれども、ぜひ八戸を変えていく、元気にしていく一員となってがんばってもらいたいというのが、私から皆さんに贈る言葉であります。今日からわれわれと一緒になって、八戸市民のためにがんばっていきましょう。

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