SPECIAL INTERVIEW

初動
求められる判断力

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指令救急課 指令情報班 小村 知之

災害へのファーストタッチ

 平成26年に採用。現在は指令救急課指令情報班の指令管制員として勤務して2年目になります。それ以前は消防隊、救急隊で現場経験を重ね、災害の最前線で活動していました。
 消防業務は多岐に渡りますが、指令管制員は119番通報を受信し、災害、事故の規模に応じた適切な部隊を編成し、出動指令を出します。また、関係機関などとの情報共有を行い、現場活動の支援をするほか、消防本部の情報セキュリティの中核を担っています。いわば表舞台には登場しない裏方的な仕事ではありますが、災害の窓口として欠かすことが出来ない重要な役割を担っています。さまざまな119番通報を受けて、助けを必要としている人たちに、いち早く災害現場に出動させることが、私たち指令管制員の命題です。

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腕の見せ所

 119番通報を受け、災害場所を特定し出動車両を選定します。その際「救急車!救急車!はやく!」と差し迫った現場の雰囲気を電話越しに感じることが多々あります。「救急車ですね」と返すと「来れば分かるから!」ガチャンと電話を切られることもしばしば。災害場所が分からなければ、車両を向けたくても向けることが出来ません。こういった時は、冷静にこちらから再度連絡をとり、災害場所及び必要事項を聴取します。
 指令管制員は電話越しでしか住民と関わることが出来ません。しかし、相手の声のトーンや声量、話す速さを瞬時に判断し、どういった状況から通報してきているのか、相手に寄り添った対応が必要になります。一生に一度あるかないかの119番通報ですので、うまくできる人なんていません。いつもの日常から突然、非日常に変わった時、「うまく話せない」「言葉が出てこない」そんなことがあって当然だと思います。そんな状況だからこそ、プロフェッショナルである指令管制員の腕の見せ所だと感じています。

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お父さんが!

 電話口から助けを求めている泣きそうな声、こちらの声も届かないほど冷静さを失っている通報があります。「お母さんしっかりしてください!今、お父さんを助けられるのは、あなただけです」。必要であれば、私たちは電話口から心臓マッサージのやり方を指導し、救急隊到着まで継続するように伝えます。それ以外にも、食べ物を誤って喉に詰まらせた等の場合は、背中の真ん中を叩いて吐き出させる背部叩打法、出血している場合は、清潔なタオルで圧迫して出血を押さえる止血法等、状況に応じ必要と思われる応急手当を指導します。
 指令管制員は直接触れることが出来ませんが、最善を尽くし、救急隊に引き継ぐまでが勝負だと考えています。

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大きな使命と誇り

 消防業務に携わり9年目になりますが、日々勉強中です。特に、指令救急課指令情報班に配置されてからは、初めてのことが多く、1日があっという間に過ぎていきます。119番通報が鳴り止まない日も少なくありません。ですが、その中でも、支えてくれる仲間がいてくれるおかげで、毎日を乗り越えることが出来ています。そして、大きなやりがいを感じている自分もいます。忙しさ=やりがいと感じることが出来る仕事は、そう多くはないのではないでしょうか。
 八戸市を含む広域8市町村の119番通報を一手に請け負う指令救急課。私たちは、大きな使命と誇りを胸に日々の業務に当たっています。1人でも多くの方が消防士を目指してくださることを願っています。

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八戸地域広域市町村圏事務組合消防本部

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