SPECIAL INTERVIEW

確かな技術・知識
一人でも多くのを救いたい。

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救急救命士 杉本 雄一

命を救うため

 2001年9月11日アメリカ同時多発テロでの消防隊員の活躍をテレビ越しに見て消防士を志し、平成17年に拝命。消防隊、救助隊、救急隊を経験し、現在は救急救命士として勤務しています。
 消防業務では、消防隊の消火活動、救助隊の救出活動が花形のイメージがありますが、当消防本部の出動件数は火災約100件、救助約60件、救急約12,000件となっています。救急出動件数は年々右肩上がりで増加し、入職時と比較し1.5倍増となっており、近年は圧倒的に救急需要が増しています。
 仕事を続けていくうちに、『消防隊が火災の建物から救う命、救助隊が事故現場から救う命、救急隊が病気の人を救う命、ひとつの命の重さは一緒。より多くの命を救いたい』と考えるようになり、救急隊員を対象とした研修を経て、救急救命士になりました。

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「ありがとう」

 ある救急現場の出来事です。
 「夫が突然倒れて呼吸をしていない」との通報内容で現場に駆けつけました。奥さんは慌ててパニックになっており状況が把握できず、奥さんのそばに倒れていた夫は、心臓の動きと呼吸が止まっていました。私たちは現場と救急車内で電気ショックを実施、呼吸を助けるために気管に挿管、腕に点滴のラインをとり、心臓の動きを助ける薬剤を数本投与、病院到着前に心臓の動きと呼吸が戻り、一命をとりとめました。
 しばらく経ち、ご夫婦が消防署を訪れ「あの時はありがとうございました。おかげ様で今までと変わらない暮らしを送れています」と元気な姿を見せてくれました。その時のご夫婦の笑顔を今でも鮮明に覚えていて、仕事の支えになっています。

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救急需要に備えて

 救急隊の業務は、命が危険な状態にある人のところへ駆けつけ、怪我や病気の処置をしながら病院へ搬送することです。救急救命士は点滴などの特定の処置をすることができる医療従事者になります。
 心不全、脳卒中、交通事故、怪我人、火傷、精神不調、新型コロナウイルス対応など要請内容は多種多様で、現場で使用する器材も年々高度化し、また、医療に関する知識、技術も随時更新されていくため、日々の訓練、勉強が欠かせません。現場では、『あせらない、あわてない』ことを念頭に置き、救急業務にあたっています。しかし、ほとんどの現場は訓練通りにいきません。迷った時も、あせらず、あわてずに一呼吸おき、判断するようにしています。一刻を争う現場で、常に冷静でいるのは簡単なことではありませんが、焦ってしまったが為の判断ミスは許されません。一生に一度あるかないかの救急要請です。患者さんやご家族に寄り添った対応を心掛けています。
 救急救命士は、楽な仕事ではありませんが、地域の人々の安心な暮らしを支える、やりがいのある仕事です。一人でも多くの方が、消防士、救急隊員、救急救命士を目指してもらいたいと思います。

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