カラスの生態と被害対策
カラスの種類と特徴
カラス類は国内で6種(ニシコクマルガラス、コクマルガラス、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ワタリガラス)が確認されています。
市内で年間を通して見られるのがハシボソガラス、ハシブトガラスの2種類で、冬季になるとユーラシア大陸から飛来するミヤマガラスが見られます。その他の種は少数が飛来するのみです。
カラスは記憶力と学習能力が高いことが知られています。エサのある場所を覚えていて、ごみの出る日には集積所の上の電線でごみが出されるのを待っているほどです。
カラスの頭の良さのひとつが「貯食」という習性で、食べ物がたくさんあるときにいろいろな場所に隠しておき、エサが少ないときに取り出して食べます。隠した場所を何十箇所も覚えているといわれています。
- ハシボソガラス
年間を通して見られる。ハシブトガラスと比べると体がやや小さい。くちばしも小さく、くちばしと頭が滑らかにつながる。 「ガァガァ」と濁った声で鳴く。雑食性で、集積所のごみを荒らす。
- ハシブトガラス
年間を通して見られる。くちばしが大きく、頭が出っ張っている。「カァカァ」と澄んだ声で鳴く。雑食性で、集積所のごみを荒らす。
- ミヤマガラス
冬季に大陸から飛来する渡り鳥。ハシボソガラスやハシブトガラスより体が小さい。くちばしは小さく、根元が白く見える。頭が角ばっている。
群れで行動し、田んぼに残った落穂や果実などを食べる。集積所のごみを荒らすことはないとされている。
カラスの生態
- ハシボソガラス、ハシブトガラスとも一度に産む卵は3~5個で、抱卵期間は20日ほどである。幼鳥は巣立ってから1~2週間ほどは、親から食べ物をもらって家族単位で生活するが、その後は独立して集団に入ることになる。
- 繁殖はそれぞれのつがいがなわばりを持ち、樹木の中などに巣を作る。
- 繁殖期以外の時期や繁殖に関わらない個体などは、夜には群れを作り緑地等のねぐらに集まる。
カラスによる被害と対策
野生鳥獣
カラスは野生鳥獣です。全ての野生鳥獣は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)により、許可なく捕獲したり、処分したりすることが禁じられています。「鳴き声がうるさい」「迷惑だから」といった理由でむやみに捕まえることはできません。
カラスの習性を学び、対策を立てる必要があります。
冬季のカラス被害
冬季にカラスの大群が見られるという現象は、越冬のためユーラシア大陸から飛来したミヤマガラスによるものと考えられます。ミヤマガラスは、林などを「ねぐら」とし、朝夕に大群を成して市街地を飛び回り、夜間に群れで電線にとまることで、鳴き声や糞などによる被害を発生させます。
追い払い機器の貸出しについて
カラス追い払い用LEDライト(ハンディタイプ)、カラス音声等による追い払い機器(ハンディタイプまたはセンサー式設置タイプ)を貸出します。
期間
11月から翌年3月末までの期間のうち、LEDライトは30日間、音声等による追い払い機器は14日間。
貸出窓口
八戸市庁別館6階環境政策課(平日 8時15分~17時、電話番号 0178-43-9265)
対象
八戸市内に住所等を有する個人又は団体であること。
音声等による追い払い機器の貸出にあっては、現在カラスによる被害を受けていること。
料金
無料(電池が切れた場合、替えの電池は各自御用意ください。)
- 追い払い方法については貸出しの際に説明します。
- 本人確認ができる書類(運転免許証など)を御持参ください。
- 数に限りがありますのでLEDライトは原則1人につき1個、1団体につき3個まで、音声等による追い払い機器は個人・団体に関わらず1台の貸出しとさせていただきます。事前に在庫状況について電話でお問い合わせください。
- 在庫状況、追払い場所(普段からねぐらになっている林等)によっては貸出しできない場合がありますので御了承ください。
- 要綱は下記リンクファイルをご覧ください。
八戸市カラス被害対策用追い払い機器の貸出しに関する要綱 (PDFファイル: 218.5KB)
繁殖期の威嚇と攻撃
春から初夏にかけて(3月下旬から7月)はカラスの繁殖期です。子育てしているカラスは警戒心が強くなり、卵やヒナがいる巣や、巣立ったばかりのカラス(幼鳥)に人が近づくと、巣や幼鳥を守るために威嚇や攻撃をしてくることがあります。
威嚇は単独または「つがい」によるもので、集団で襲ってくることはありません。
また、カラスが威嚇を行うのは卵やヒナや幼鳥を守るためであり、繁殖期以外は威嚇をしないとされています。
幼鳥は一見すると成鳥と見分けが付きませんが、よく見ると成鳥より小さく口の中が赤いのが特徴です。
カラスの威嚇
カラスが突然、人を襲ってくることはありません。最終的な攻撃に至るまでには、人が巣や幼鳥に近づく距離に応じ威嚇の段階があります。
威嚇の段階を知っておくと、攻撃を受ける前にその場を立ち去るなど対処ができます。
カラスの縄張りに入ってきたり、巣を見つめている人がいると、その人をじっと監視します。人が移動すると見えるところまで飛び、縄張りの外に出るまで監視を続けます。
巣や幼鳥との距離が近づいてくると、鳴きながら周囲を飛び回り、とまっている電線や枝などをつつきます。明らかに人に向かって鳴くので、多くの人はこの段階でカラスの存在に気がつくと思われます。
さらに近づくと「ガーッ、ガーッ、ガーッ」と大きな声で鳴き、小枝や葉を下に落としたりします。親ガラスがかなり近い位置まで近づいてくるので、恐怖を感じます。
それでも巣や幼鳥に近づくと、後ろから頭をかすめるように飛んだり、そのとき足で頭を蹴りつけてくることがあります。
被害に遭わないためには
- カラスの巣や幼鳥を見つけても、近づかないようにしましょう。
- カラスの威嚇に気がついたら、すぐにその場から離れましょう。
- カラスは後頭部を狙って攻撃してきます。傘をさすことで攻撃を防ぐことができます。
幼鳥について
巣を出た幼鳥は、1~2週間は親と共に巣の周りで生活します。うまく飛べるようになるまで地面などをうろついていて、人との距離が近づくため、親ガラスの威嚇が激しくなることもあります。この期間の幼鳥はまだ親からエサをもらって生きている状態です。幼鳥に近づかず、見守っていただくことで、人とカラスの双方にとってよい結果をもたらします。
親ガラスからの威嚇が激しく、傘をさすなどの対策を講じても、どうしても威嚇を避けることができない場合は、環境政策課までご相談ください(平日8時15分~17時、電話番号0178-43-9265)。
親ガラスによる威嚇の軽減を図るために幼鳥を捕獲することは、最後の手段とお考えください。幼鳥を捕獲した場合、人気のない市有地に放鳥することになりますが、親ガラスと離れてしまった幼鳥は、その後の生育に不安が残ります。
営巣対策
カラスは比較的高い場所(電柱や鉄塔、杉など背の高い木)に巣を作ることが多いのですが、庭木に作ることもあります。
庭木に巣を作られると、その家や近隣の住民、通行人が威嚇される恐れがあります。巣を作られないようにすることも重要な対策です。枝や葉が密集しないように剪定しておきましょう。(枝が三つ又になっていると巣を掛けやすいので、残す枝を2本にするなど)
カラスの営巣への対応は、土地の管理者が行うことになります。
巣に卵やヒナがいる場合、鳥獣保護管理法の規定により、県の許可なく巣の撤去や卵・ヒナの捕獲をすることはできません。三八地域県民局林業振興課(電話:0178-23-3595)にご相談ください。
卵・ヒナがいない空の巣の撤去に許可は必要ありません。
過去に使った巣を次の子育てに再利用する場合があるので、空の巣は撤去しておきましょう。
巣の撤去の仕方
繁殖期(春~夏)のカラスから、威嚇や攻撃などの被害を受けないためには、巣で産卵させないことが大切です。自宅の木等に巣を発見した際は、できる限り早めに撤去しましょう。特に冬季は木の葉が落ちるため、巣の発見が容易になります。
- 巣の撤去は巣ができた土地や工作物の管理者が任意で行うことになります。
- 電柱に作られた巣は、その電柱の管理者(電力会社やNTTなど)へ電柱についている番号を連絡してください。(東北電力ネットワークコールセンター:0120-175-366、NTT東日本:0120-444-113)
- 卵やヒナがいる巣を許可なく撤去することはできません。
卵やヒナがいない秋~冬のうちに撤去しましょう。 - 巣を撤去する際は、落下物に注意するなど周囲の安全を十分確認したうえで作業してください。
また、作業が容易でない場合は、枝の剪定等を行っている業者に依頼しましょう。
地域の集積所のごみ荒らし
ハシボソガラス、ハシブトガラスは生ごみをエサのひとつとしており、地域のごみ集積所に置かれたごみ袋の中の生ごみを食べます。1羽がごみ袋をつつき始めると、次々とほかのカラスが集まってきて生ごみを探し始めるので、ごみが散乱することになります。
カラスは目が大変よく、目でエサを探しています。逆に嗅覚はあまりよくないといわれています。
市の対応
- 地域のごみ集積所使用のマナーを呼びかける看板やチラシ等の作成をしています。(環境政策課)
- 地域のごみ集積所にかぶせる網(魚網を切ったもの)を無償で提供しています。(清掃事務所、環境政策課)
- 地域のごみ集積所を管理している町内会に対し、ごみ集積ボックス(清掃事務所)やカラス対策専用網(八戸市環境美化協議会)の購入費用補助を行っています。
被害に遭わないためには
- 生ごみをごみ袋の中心に位置するように入れ、外から見えないようにする。
- ごみ出しの日を守る、ごみを出した後は網をしっかりかけるなど、ごみ出しマナーを守る。
- 生ごみをコンポスト等でたい肥化し、ごみとして出さない。(エサ断ち)
この記事に関するお問い合わせ先
市民環境部 環境政策課 環境政策推進グループ
〒031-8686 青森県八戸市内丸一丁目1番1号 市庁別館6階
電話:0178-43-9265 ファックス:0178-47-0722
- より良いサイトにするため、みなさまのご意見をお聞かせください
-
更新日:2024年12月02日