多様な性のあり方について考えてみましょう
いわゆるLGBTなどの性的マイノリティの人について考えるとき、「身近な人の中にはいない」「今まで出会ったことがない」「職場・学校・コミュニティにいると聞いたことがない」など、どこか自分から距離のある話だと思ってはいませんか。
しかし、各種調査によれば、LGBTを含む性的マイノリティに該当すると自認している人の割合は約1.6%から約8.9%程度との結果もあり、周りにいないのではなく気づいていないだけかもしれません。
「差別、偏見、社会の不寛容にさらされる不安や恐れから、ありのままの自分でいられず、声を拾いにくく、見えにくい状態に置かれている」
そのような当事者の状況を理解した上で、普段の生活の中で何気ない会話や対応が、いつの間にか当事者を深く傷つけているかもしれないと気づくことが、あなたがこれから性のあり方の多様性とその諸課題について考える第一歩になります。
多様な性のあり方とLGBTなどの性的マイノリティ
個人の性については「男性」と「女性」の2つに区分して表現されることが一般的ですが、実際には性のあり方(セクシュアリティ)は主に次の4要素の組み合わせで表すことができ、顔や性格がみな違うのと同じように一人ひとりで少しずつ違います。
からだの性(戸籍上の性/生物学的な性) | 出生時に割り当てられ、出生証明書により戸籍に記載されている身体的な性 |
自認する性(性自認) | 自分がどの性別であるか(または、ないか)の認識 |
好きになる性(性的指向) | 恋愛感情や性的な関心がいずれの性別に向かうか(または、向かわないか) |
表現する性(性表現) | 服装や言葉遣い、立ち居振る舞い等で自分の性を外向きにどう表現するか(したいか) |
また、性のあり方が全体からみて少数派である人々を表す言葉として、性的マイノリティ(セクシュアルマイノリティ、性的少数者)が用いられることがあります。
「LGBT」(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとったもの)と称される場合も多くありますが、全ての性的マイノリティがその4つに分類されるわけではありません。そのため、「LGBTQ」「LGBTQ+」など性のあり方の多様性に合わせ、様々な表記が存在することを理解しておきましょう。
L | レズビアン(Lesbian) | 女性同性愛者 |
G | ゲイ(Gay) | 男性同性愛者 |
B | バイセクシュアル(Bisexual) | 異性・同性のいずれも好きになりうる人 |
T | トランスジェンダー(Trancegender) | 出生時に割り当てられた性別と性自認が一致せず、違和感を持つ人 |
以上のほかに、Q(クエスチョニング_自分の性的指向・性自認が定まっていない人)や、A(アセクシュアル_誰に対しても性的欲求を持たない人、無性愛者)など、性のあり方を表す言葉は多く存在します。
性自認や性的指向は、本人の意思や周囲の働きかけで変えられるものではなく、その人が自然と持っているものです。個人の尊厳に関わる大切なものであるという認識を持ち、違いを認め合い尊重する姿勢を持つことが極めて重要です。
性的マイノリティに関する偏見や差別をなくしましょう(法務省ホームページ)
SOGI(ソジ)について
「SOGI(ソジ)」は、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字をとったもので、多数派か少数派かに関わらず、すべての人が持っている属性(要素)を表現する言葉です。
よって、SOGIに関する差別やハラスメント(例えば、同性愛者ではないかと揶揄する、オカマやそっち系など他人の尊厳を傷つけるような表現をする)などの課題は、特定の人々に限られたものという捉え方ではなく、「すべての人が持つ性的指向・性自認という属性(要素)」に対して行われるものであるという認識を持ち、社会全体が人権尊重や平等の実現という視点で取り組んでいく必要があると言えます。
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更新日:2023年04月14日