水産業の概要

更新日:2024年10月09日

1 水産都市・八戸の発展

当市の水産業の拠点である八戸港は、藩政時代から「鮫浦みなと」の名で知られ、漁港として、また、江戸方面との交易拠点、三陸沿岸の避難港として栄えてきました。

港湾としての八戸港は、昭和に入ると商港としての整備が始まり、昭和26年には重要港湾に指定されました。また、昭和39年の新産業都市の指定を契機に飛躍的な発展を遂げてきました。

一方、漁港としては、昭和35年の特定第3種漁港指定を契機に、魚市場の整備や背後施設の建設など、水産都市としての基盤整備が進められ、昭和41年から43年にかけて3年連続して水揚げ日本一を記録するなど、日本有数の漁港となりました。最も水揚げが多かった昭和63年には、81万9千トンを記録しています。

 

八戸港水揚げ高の推移 昭和4年か令和5年まで

2 漁業を取り巻く環境の変化

平成7年の国連海洋法条約の発効に伴い、漁獲可能量(TAC)が設定されるなど、国際的な漁業規制が一層強化されました。また、資源水準の悪化による漁獲量の減少、輸入水産物の増大、魚価の低迷、燃油の高騰など、漁業を取り巻く環境は大変厳しい状況にあります。

このような状況の中、八戸港においても、かつては大量に水揚げされたイワシやサバ、イカが以前ほど獲れなくなったため、水揚げ高は減少傾向にあります。

令和5年の水揚げ高は、数量が37,605トンで全国第14位、金額が109億3,210万円で全国第16位となっています。

写真:第一魚市場でのまき網漁船の水揚げ

まき網漁船の水揚げ(第一魚市場)

写真:第二魚市場での定置網漁船の水揚げ

定置網漁船の水揚げ(第二魚市場)

3 八戸の水産業の特色

八戸港へ水揚げされる主な魚種はイカ、サバ、イワシで、数量全体の約8割を占めています。特にイカは、近海・日本海のスルメイカ、北太平洋のムラサキイカ(アカイカ)などが水揚げされ、長年にわたってイカの水揚げ日本一を誇っています。

魚が水揚げされる魚市場は、第一魚市場から第三魚市場までの3カ所あります。魚市場の開設者は八戸市で、卸売業者は株式会社八戸魚市場です。

流通加工については、生産・流通・加工等の背後施設の充実により、冷凍及び加工後に出荷されるウェイトが大きくなっています。令和4年における水産加工業者は24企業で、冷凍・冷蔵関係では39企業89工場、冷蔵能力は28万3千トンと、全国の漁港の中でも有数の施設が整備されています。

4 主な漁業と漁期

漁業と漁期の表
漁業 主な漁期 主に獲れる魚 漁場
イカ釣り
(生イカ)
6月から翌年1月 スルメイカ 八戸近海
イカ釣り
(船凍)
1月から3月及び5月から12月 スルメイカ、ムラサキイカ(アカイカ) 日本海、北海道沖、三陸沖、北太平洋
遠洋
底びき網
1月から12月 キンメダイ、クサカリツボダイなど 北太平洋、インド洋
沖合
底びき網
1月から6月及び9月から12月 メヌケ、カレイ類、タラ類、イカ類など 八戸沖合
小型
底びき網
1月から6月及び9月から12月 カレイ類、タラ類 八戸近海
大中型まき網 6月から12月 サバ、イワシ、スルメイカ 八戸近海、三陸沖、北海道沖
小型まき網 10月から12月 サバ、イワシ 八戸近海
定置網 1月から2月及び5月から12月 サケ、ヒラメ、カレイ類、サバ、イナダなど 八戸近海

この記事に関するお問い合わせ先

農林水産部 水産事務所

〒031-0822 青森県八戸市大字白銀町字三島下101
漁業振興グループ・流通加工振興グループ・調査研究グループ 電話:0178-33-2115 ファックス:0178-33-2117

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