第16回「市民活動(NPO)促進検討委員会」

更新日:2020年01月07日

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日時

平成16年5月27日(木曜日)18時30分~20時45分

場所

八戸市庁別館6階 会議室

出席者

(敬称略)

NPO委員会委員4名(委員2名欠席)

  • 福田昭良
  • 岩村隆二
  • 高沢利栄
  • 西島拡

要旨

市民活動団体に対する具体的な支援の施策として、事業化支援(コミュニティビジネス)について検討しました。

内容

  • コミュニティビジネスの概要や、先進地、青森県、八戸市の事業化支援のための施策等について事務局から説明。

事業化支援(コミュニティビジネス)について

コミュニティニジネスについて

  • コミュニティビジネスとは、一般的に、地域の資源を活かして地域の課題に取り組む住民主体の地域密着型のビジネスと言われている。
  • 利益の追求を第一とする企業に対し、コミュニティビジネスは必ずしも利益追求を第一とはせず、ビジネスの意義や意味を行動の価値基準とし、地域課題の解決を目的としたビジネスとボランティア活動の中間領域的なビジネスと考えられる。
  • 例えば、NPO法人には大きく分けて非営利活動である本来事業とその他事業がある。非営利とは利益をあげてはいけないということではなく、利益を分配してはいけないということであるが、NPO法人におけるコミュニティビジネスとは、本来事業がコミュニティビジネスに限りなく近くなることである。法人の趣旨からいっても、その他事業がビジネス化することではない。
  • NPO法人にとって、本来事業とは地域課題の解決を目指す活動であり、組織のミッション(使命)である。本来事業をコミュニティビジネスとして継続していくためには、ミッションとビジネスを両立させることが必要になってくる。
  • コミュニティビジネスとは、利益を追求する企業が参入してこない領域をビジネス化することでもある。本来的に相反する事をやろうとすることであるため、大変難しいことではある。
  • 指針における位置付けとして、市民活動団体やNPO法人の事業化を支援するのか、コミュニティビジネスだけを支援するのかという問題がある。コミュニティビジネスは新しい概念であり、明確な定義もないので人によって、解釈が違う場合もある。コミュニティビジネスの判断をどうするかが、ひとつの論点であると思う。
  • 事業化支援を考える上で、コミュニティビジネスをどのように認定していくかが問題となる。
  • 事業化支援の施策としては、ビジネス(収益事業)の観点から行政からの補助金はあまりなじまない。確かに、先駆的な事例を作り出すという意味合いで、コミュニティビジネスのモデル事業に対して補助金を交付する場合はあるかもしれないが、NPO法人の事業は先駆的なものばかりではないので、「融資」という支援が考えられる。
  • 例えば、NPO法人が配当金を出せないということは、資本を持たないということでもある。一般的に銀行は、資本を担保にして融資をする。NPO法人には資本(担保)がないため、銀行は融資できないという事になる。
  • 銀行の中には、資本ではなく事業の内容を評価して融資する所もでてきたが、まだまだ少ない現状にある。
  • NPO法人が銀行から融資を受けられるようにするためには、行政が担保を保証するという仕組みが考えられる。
  • この仕組みは、行政が直接、融資するわけではないので、事業効率や効果が高いというメリットもある。例えば、行政が銀行に対して1千万円の損失保証をすることにより、1億円の融資が受けられるようなイメージになる。
  • 一般的な起業に対する支援機関や制度については、商工会議所や中小企業団体連合会等にある。
  • コミュニティビジネスは、一般的な起業とは違い、やはりボランティアで賄いながらの事業スタイルのイメージになるのではないか。そのため、なかなか商工会議所には相談しにくいところもある。
  • 国、県、市では、これまで、起業に対する様々な政策を実施してきたと思うが、現在の不況の中でなかなか難しくなってきているので、コミュニティビジネスの領域にまで幅を広げて、政策を進めている状況だと思う。
  • 八戸市のNPO法人の事業レベルは、まだ有償ボランティアをしているレベルであり、ボランティアを活用しないと運営できない状況にあると思う。
  • ビジネス化しようと思っても、ハイリスク・ローリターンなので、なかなか事業化への一歩を踏み出せないでいるのではないか。
  • 本来、目的としている事業だけでは経営的に成り立たなくなり、不本意ながら違う事業にも手を出さざるを得ない状況に置かれることも多くあると思う。
  • コミュニティビジネスの成功例を見ると、NPO法人によるものではないが、特産物の販売等を手がける農家の女性による成功例が多いように感じる。やはり、地域の様々な資源等(立地条件・人材・資材等)があるところでないとビジネス化は難しいし、また、それらをうまく活用することが成功の秘訣となっているように感じる。
  • コミュニティビジネスの考え方で、生き甲斐創出や雇用確保、地域の活性化、文化の継承・創造といった内容が挙げられることがあるが、これらは、コミュニティビジネスを行うことによる副次的な効果だと思う。市民活動の継続性や自立性を高めるという効果も考えられる。ただ、コミュニティビジネスを実践しようとする人は、初めからそういった事を念頭においているわけではないと思う。

青森県コミュニティビジネス推進資金融資制度について

  • 青森県では、「コミュニティビジネス推進資金融資制度」を7月からスタートさせるため、6月からコミュニティビジネス認定申請の受付を開始する。制度の仕組は、県から認定を受ければ、融資審査を経たうえで銀行から3百万円を限度に低利(2%)・無担保で融資が受けられるというものである。NPO法人でも融資を受けられる。県が、融資額の10.5%を債務保証することで無担保としたもの。
  • コミュニティビジネスの認定は、県で認定委員会を設置して決定することになる。
  • 認定は第三者機関が実施すべきだと思う。
  • 現実的には、ミッションはしっかりしているが、ビジネス面が弱いケースが多いと思うので、いかに銀行が経営に結び付けていくかが重要になる。融資審査等における銀行の指導により、事業計画は現実的なものになっていくと思う。
  • ビジネスとして成り立つかどうかに重点を置き、銀行での融資案件がまとまってから県の認定を受ける順序の方がよいのではないか。
  • 県はミッションを審査し、銀行はマネジメントを審査しているイメージではないか。損失保証をしている観点からも県が先に認定することでも問題ないと思うし、先に県で認定した方が、銀行は安心して融資審査ができるのではないか。基本的に認定の順序については、県と銀行が制度を運営しやすいように決めればよいことで、どちらでもよいと思う。
  • 問題は、県がこのような融資制度を実施している中で、八戸市独自で融資制度を作るべきかどうかという事である。
  • 県の制度では、債務保証が10.5%程度なので、保証の割合は決して高いとはいえないが、融資枠は全体で6千万円もある。
  • 八戸市のレベルから考えると、独自で融資制度を作る程ではないと思う。必要があれば、県の融資制度を活用すれば良いと思う。
  • 事業化支援の資金の問題については、考え方についてきちんと整理して、県の融資制度等について周知し、活用を図るという方向でまとめてよいと思う。県の制度を活用しながら様子を見て、気運が盛り上がってきたら独自の制度について検討していくということでまとめていきたい。
  • また、先進地の融資制度を見ると、北海道のNPOバンクのように、市民の側で立ち上げた融資の仕組みなどもあることから、そういった事例についても参考にすればよいと思う。

八戸市起業家育成事業について

  • 八戸市の現段階では、融資というより、コミュニティビジネスの啓発や支援の場の充実、情報収集や情報提供等が重要な施策になってくると思う。現在、八戸市の商工労政課で取り組んでいる起業家育成事業は、まさにそのような取り組みだと思う。
  • 八戸市では、起業家育成事業として「市民起業塾これからセンター」を運営している。事業内容としては、コミュニティビジネス起業家の支援組織の運営、起業家育成講習会等の開催、交流サロンやコーディネーターの設置、ホームページの作成を行っている。簡単に言うと支援の「場」を整備しているということだ。コミュニティビジネスへの支援を中心に考えてはいるが、いわゆるベンチャービジネスへの支援を拒むものではない。

その他

  • 事業化支援については、誰がどのような支援をするのかという視点も盛り込む必要がある。
  • 銀行や中間支援組織、コーディネーターなど、それぞれの役割を考える必要がある。
  • 経営の実務講座等は人気があり多くの人が受講しているが、実際に起業するためには、自分でリスクを負う勇気が必要となる。モデル事業等があれば、良いきっかけになるのではないか。
  • 例えば、中心商店街の空き店舗の利用について、補助していくということも考えられるが、実現のためには、様々な課題があると思われる。
  • 八戸市の現状では、いきなり融資を利用できるようなレベルにはないと思う。
  • 事業化へ一歩踏み出すための呼び水となるような施策が必要だと思う。
  • 試行的なモデル事業やマーケティング等の調査研究事業に対する補助金などの支援がまずは必要であり、そのような施策により、融資制度が利用できるレベルまでステップアップさせることが現実的である。
  • そのためにも、コミュニティビジネスについて、知ってもらったり学んでもらったりし、興味を持ってもらう啓発の施策から地道に実施していくことが大切である。
  • 例えば、移送サービスのニーズはあってもビジネスとして成り立たない場合がある。単純に利益が出るような金額設定ができないからであり、ミッションの考え方やどこまでの人を救いたいか等によっても状況は変わってくる。
  • 成功例を見ると、ひとつの事業により新たなマーケットが開拓され、そのマーケットを利用して、また新たな事業を展開していくというように、うまく連動させているような事例も見受けられる。
  • 岩手県は、コミュニティビジネスが盛んなようなイメージがあるが、特別に新たな資源やアイディアばかりを生み出そうとしているわけではなく、推進協議会が中心となって、観光や物産、産直、特産品など既存の資源をうまくつなげて、活用しているものもたくさんある。
  • 新たに資源を作りだすことは難しいことだが、岩手県の例は、既存の資源の掘り起こし方によっては、新たなコミュニティビジネスにつながる良い例だと思う。問題は、誰が地域資源をうまくコーディネートし、コミュニティビジネスとして確立させていくかである。

まとめ

  • 議論を整理すると、事業化支援の資金の問題については、いくつかの支援方法があるということをまとめ、行政をはじめ銀行や商工会議所等、誰がどの部分を支援していくのかという視点も盛り込むことにする。既存の制度や組織、資源等でもどのようにネットワークを作っていくかがポイントとなる。
  • また、八戸市の現状のレベルでは、資金の問題よりも前の段階の支援として、現在実施している、「起業家塾これからセンター」のような総合的な支援の場やコーディネート機能の充実が求められている。
  • そして、次にステップアップしていくためのモデルケースを作るために、モデル事業や調査・研究・分析事業等に対する補助制度について考えることも有効な手段である。
  • このようなイメージでまとめていきたいが、コミュニティビジネスの捉え方については、人によって違うので、「コミュニティニジネス」という表現を使用するかどうかも含めて、判断には注意していく必要がある。
  • 行政内でも商工担当課と市民活動担当課で、考え方が違うと思う。コミュニティビジネスではなく、地域資源活用型ビジネスと言った方がわかりやすいかもしれない。いずれにせよ、広い意味で捉える方が良いと思う。
  • とりあえず、事業化支援については、様子をみながら、新たな制度を作るかどうか考えていく必要がある。
  • 事業化支援の課題や対応策については、次の5つに整理できると思う。
    1. コミュニティビジネスをどう考えるか。 → 広く捉える
    2. 資金の問題 → 県の制度や銀行を活用
    3. マネジメントの問題 → 中間支援組織による支援
    4. 人材の育成 → 中間支援組織による支援
    5. 支援の「場」づくり → 実施済(市民起業塾これからセンター)
  • 事業化支援のポイントは、ミッションとビジネスの両立が難しいということ、地域資源をうまく掘り出すということ(ミッションや地域資源のコーディネート)。

委員長総括

  • これまでの議論や指針骨子案に基づいて、次回までに、ある程度、素案の形にまとめたものを提示し、指針素案の検討を開始していきたい。
  • また、具体的な施策で議論の残っている項目についてもまとめて、検討していきたい。

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策部 市民連携推進課 市民協働グループ

〒031-8686 青森県八戸市内丸一丁目1番1号 市庁本館4階
電話:0178-43-9207 ファックス:0178-47-1485

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