【八戸特派大使通信】第56回 住澤 整

更新日:2020年01月07日

住澤 整(すみさわ ひとし)/ 財務省主計局主計官

住澤 整さんの写真

昭和40年八戸市生まれ。 

長者小、大館中、八戸高校、東京大学経済学部卒業。 

昭和63年大蔵省(現財務省)入省。 

岡崎税務署長、金融庁、主税局、財務大臣秘書官、総務省行政管理局管理官(定員総括・独立行政法人総括)を経て昨年から現職。

長者山の麓で生まれ、新井田で育ちました。子供の頃に三社大祭で引いた神明宮の山車、新井田川から望む階上岳、種差の高岩展望台から見渡す太平洋。和辻哲郎は「われわれは『風土』においてわれわれ自身を見いだす」と述べましたが、八戸の風土は、私にとってもかけがえのないものです。

現在の担当は、国土交通省(主に旧運輸省)予算と環境省予算。机の前に整備新幹線のルート図が貼ってあり、顔を上げれば青森県が目に入ります。昨年12月、東北新幹線の全線開通の一方で課題となった青い森鉄道など並行在来線の経営。マイカーの普及と裏腹で続く地域の公共交通機関の苦境。少子・高齢化が進む中、福祉や教育とともに地域が抱える大きな問題であり、昨年末の予算編成の主要課題でした。毎日のデーリー東北や、八戸市営バスや南郷コミュニティ交通のケーススタディにも目を通してきましたが、八戸には地域における交通問題の縮図を見る思いです。

現下の課題は、3月11日の東日本大震災により生じた災害廃棄物(がれき)の処理や復旧・復興事業。あまりに多くの方々が、大切な方々や暮らしの場を失い、慣れ親しんだ風景を奪われている現実には言葉を失います。迅速な対応とともに、地域の方々の思いを大切にしながら丁寧に仕事を進めることも必要だと感じています。連休中に補正予算と財政援助法案が成立しましたが、一日も早くふるさとが取り戻せるよう、私たちができることに精一杯取り組んでいきたいと考えています。

職場に近い西新橋の「いちい」は、30年近く続く八戸料理のお店。いつも懐かしい言葉と八戸直送の食材でもてなしてくれます。昨年からは鶏肉とサバ缶の二種類のせんべい汁がメニューに加わり、これがまた絶品。これからもせんべい汁の普及に励み、微力ながら八戸のお役に立てるよう努めていきたいと思っています。

  (「広報はちのへ」平成23年 8月号掲載記事)  

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