【八戸特派大使通信】第26回 向谷地 博信

更新日:2020年01月07日

向谷地 博信(むかいやち ひろのぶ)/JALホテルズ株式会社 執行役員

向谷地 博信さんの写真

昭和25年百石町上明堂生まれ。

長者小学校卒業、三沢一中卒業、八戸高専中退、東京大学卒業。

JAL人事部、 関連事業室等を経て現職。 敬愛大学非常勤講師を兼務。千葉市在住。

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私は百石町(現おいらせ町)で生まれて三沢と八戸で育ち、八戸高専と東京の大学で勉強した後にJALに入社し、現在JALホテルズに奉職しております。

当社は国内外で65のホテルを運営する日本最大のホテル会社ですが、私の仕事内容は開発営業で、平均して年4~5ホテルを増やす一方、来年の上場に向けて広報も兼務しています。

最近は、投資側として米ファンド会社、華僑、中東王族などとの交渉が多く、昨年は、海外出張で108日、日本を留守にしました。最近はマカオ、シドニー、ドバイなどに契約の交渉に行っております。交渉には会社の業務知識に加え、英語、会計、税務、法務の知識が必須です。

中東の王族やビジネスリーダー達は、意外なことに旧宗主国の英国や米国で最高級の教育を受けており、ビジネスの感覚、進め方、判断などは極めて近代的・合理的なもので、隣国中国との交渉に比してもスピードは早く、やり易いように思います。特に近代化の最先端を行くドバイでは、限りのある石油収入に頼らず恒久的に繁栄できる国レベルのビジネスモデルを構築する、との方針を先代の英明な首長が立てました。

治安が優れて良いこともあり、世界中から資本と専門家集団が結集し、建築中の800メートル超のビルをはじめ、この数年で砂の街に高層のビルが林立し、一説には世界中の20%の工事用クレーンが集まっていると言われています。「砂上の楼閣」のたとえは、そこでは逆に「確固たるもの」に意味が変じております。その高級感と発展のスピードは、日本の高度成長、更には現在の上海の成長をも凌ぐように思われます。

私どももその中心部に、クエートの王族をオーナーとして、現在57階建ての「ホテルJALタワードバイ」を建築中で、来年開業させます。1日に5回、街にコーランが流れ、人々が神に祈る様は初めは非効率と思いましたが、慣れるに連れて人間のあり方について考えさせられます。

やはり世界の成長国には収益の高いビジネスが存在します。八戸はドバイとも交易をしていますが、成熟国日本はこうした成長国にうまく絡んでいくことが重要です。また、自分の経験から、八戸の若い人達には、ビジネス標準語としての「英語」を自分の仕事内容を語れる程度に身につけることをお勧めします。世界が広くなりますし、仕事を通じて世界中に友人ができるというのは得がたい人生の財産です。幸い近くには米軍三沢基地があります。

私自身は、機会がありましたら出身地八戸のために自分の経験を還元できればと考えております。

(「広報はちのへ」平成19年 6月号掲載記事)

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