【八戸特派大使通信】第28回 中原 裕幸

更新日:2020年01月07日

中原 裕幸(なかはら ひろゆき)/ 社団法人海洋産業研究会常務理事

中原 裕幸さんの写真

昭和23年東京生まれ。上智大学卒業後、現職場に研究員として入職。途中、南カリフォルニア大学海洋沿岸研究所で海洋政策修士を取得。

主任研究員、事務局長を経て現職。海洋政策研究財団・日本水路協会理事、日本沿岸域学会副会長、東海大学海洋学部・北海道東海大学講師(「海洋政策」「海洋産業論」)

とびっきりの “海洋都市” 八戸

私は仕事柄、日本全国の海あり県や市を回っていますが、八戸は非常に印象の強いところです。最初は、縁あって、八戸の海洋立市プラン検討委員会の数少ないよそ者委員の一人として関わり、後に環境共生型産業プロジェクト、新エネルギービジョンのほか、実現には至っていませんが八戸地域洋上風力発電導入可能性調査に従事しました。

さて、この原稿が掲載される時期はちょうど「海の日」前後だと思いますが、今年は実は歴史的出来事にわれわれは遭遇しています。というのは、「海洋基本法」が制定され、その施行日がちょうどその頃になるはずなのです。議員立法により、4月4日に衆議院で可決、同月20日に参議院で可決、成立し、同27日に公布されました。3ヶ月以内に施行ということで、それがちょうど海の日あたりになりそうなのです。

この基本法で、総理大臣を本部長とする総合海洋政策本部が設置されます。副本部長は官房長官と新たに誕生する海洋政策担当大臣で、本部メンバーは全閣僚です。こうした組織の長に国のトップが就任するのは世界でも極めて珍しく、海洋政策担当大臣というのも世界で例が少ないという、画期的なものなのです。わが国が“海洋立国”を目指すことを内外に表明するわけで、いよいよ歴史の新しい1ページが始まろうとしています。

ひるがえって、八戸は、わが国の海に接する都市の中にあって、とびっきりの“海洋都市”の一つと言ってよいでしょう。港湾・物流の拠点であり、イカの街・水産都市であり、沖合海域には石油・天然ガスあるいはメタンハイドレートという海洋資源が眠っている可能性を秘めています。しかも陸上交通の要衝でもあり、豊かな自然や歴史と文化があります。こんなに恵まれた都市は全国広しといえどもそうそうはないものとつくづく思います。海洋基本法にもとづいて国は海洋基本計画を策定することになるのですが、海洋都市・八戸が海洋と沿岸域を上手に利用して、ますます発展することを期待し、確信しています。

 (「広報はちのへ」平成19年 8月号掲載記事)

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