【八戸特派大使通信】第15回 大谷 真樹

更新日:2020年01月07日

大谷 真樹(おおたに まさき)/株式会社インフォプラント代表取締役社長

大谷 真樹さんの写真

昭和36年青森市生まれ。八戸市で幼少時代を過ごす。学習院大学経済学部出身。インターネットを活用したマーケティングリサーチの先駆者として平成13年アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー優秀賞受賞。平成18年3月にインフォプラント八戸事業所立地協定を調印。

類家にあったその店の名前が、ひらがなだったのかカタカナだったのかさえ思い出せない。麒麟の看板の駄菓子屋を中心に半径1キロ位の田畑が行動範囲で、それが近所のワルガキどもと八戸幼稚園児の私の知っている「世界」であった。毎朝の海の幸、山の幸が嫌で、「太陽にほえろ」で見た新宿の高層ビルに憧れて「こんな狭い世界は嫌だ」と東京の大学へ。それから28年、「未知の世界」を知りたくて50カ国以上の国を渡り歩いた。この目で確かめた「世界」で心から感謝したことは、わが祖国、わが故郷の美しさ、恵まれた山の幸、海の幸だった。

今年に入り、景気回復の進む東京で、私が経営する会社の人材不足はいよいよ深刻になり、北は旭川、南は沖縄、一時は中国へも事業所の可能性を求めて、人材、立地を求め歩いた。そして再発見したのは、わが故郷の人材の優秀さである。 優秀な人材が温存されている!これは灯台下暗し。皆、有効求人倍率が全国でも最下位に近いと嘆いているが、そうではない、有効求人倍率が低い事は人材の宝庫であるという事。八戸の持つPR材料、 企業誘致の武器だ。

かくして3月末、八戸インテリジェントプラザへ事業所進出を決めた。インターネット上で企業へのマーケティングサービスを提供する私の会社は勿論の事だが、今後インターネット環境が更に整備されていけば、実質、ビジネス上の国境、首都圏との距離は事業展開上問題にならない。優秀な人材が、故郷の八戸に居ながらにして就業し、スキルを磨く事ができる時代が間もなくやってくる。インターネットの恩恵を受けるのはヒルズ族ではなく地方都市なのだ。

「この鯖美味しいでしょ。でね、八戸はね、雪は少なく晴れが多く、太陽と人材が輝いてる街なんですよ。本当は。」特派大使としては「雪深い八戸」との誤解を何としてでも解かねばなるまい。これはかつて故郷を飛び出したことへの贖罪でもある。

(「広報はちのへ」平成18年 7月号掲載記事)

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