【八戸特派大使通信】第14回 田頭 勉

更新日:2020年01月07日

田頭 勉(たがしら つとむ)/ 作曲家 有限会社ベンミュージックスタジオ代表取締役

田頭 勉さんの写真

昭和37年八戸市生まれ。八戸高校を卒業後上京。東京芸術大学作曲学科を卒業後、同大学院作曲科を修了。芸術学修士。在学中は松村禎三氏に師事。

その後、放送関係の音楽制作に関わるようになり、これまでにNHK教育番組やラジオドラマの背景音楽、また、報道番組のテーマ音楽など多数担当し、1,000 曲を超える音楽を制作してきている。

私は、大学を出てこのかた会社勤めということをしたことがない。格好良く言えば、ひたすら作曲家として歩んできたとも言えるがなんのことはない、ただ、上司のような人に命令されて組織の中の一員として動くのが嫌いなだけなのだ。自分が納得出来ないことはたとえ命令であってもしたくないし、決まった時間に出社し帰宅するような生活は多分できそうにない。だから、そのようなことができている多くのサラリーマンや公務員など、立派だなと思う。

人は自分に無いものを持っている人のことを羨ましいと思うらしく、私が音楽を作れるのを、多くの方は素晴らしい才能ですね、と褒めて下さるが、自分では、逆に当たり前の社会生活ができないハンパ者なのではないかと思ったりもする。また、一応それなりに社会人としての常識は持っているつもりだが、私が思う常識が一般的に常識なのかどうかは、はなはだ疑わしいものだ。

さて、自分の住む街の魅力というものは自分たちにはなかなか感じられないものではないだろうか。他の地域に住んでいる人からは羨ましいと思われることが自分たちにはそうは思えないものであったり、気づきにくいことであったりしがちだ。また、逆にこれが良いところと思っていることが必ずしもそうではなかったりもする。

話は大きく変わるが、私は巷でよく耳にする、「あなたからパワーをいただき元気になれました。」という言葉が好きではない。それは、形のない物であれ他人から何かを奪っているに他ならないからだ。結果的には同じことになるにしても、全ての人が自分から他人に与えようとすれば良いのだ。

街は誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自分が率先して作っていくべきだ。

これから八戸の街がますます発展するために、私の思いを少しでも読みとって頂けたなら幸いです。

  (「広報はちのへ」平成18年 6月号掲載記事)

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