【八戸特派大使通信】第23回 戸部 栄一

更新日:2020年01月07日

戸部 栄一(とべ えいいち)/椙山女学園大学生活科学部教授

戸部 栄一さんの写真

昭和24年東京都生まれ。東京大学工学部卒。 

八戸工業大学助教授を経て現在椙山女学園大学生活科学部教授。工学博士。専門は都市計画・建築計画。八戸工業大学在任中は八戸市のまちづくりに参画。平成5年、八戸市21世紀構想研究会座長として、「『北のインターシティ八戸』を目指して」(報告書)を作成。現在、名古屋市在住。

私は、生まれ・育ちは東京で、現在は名古屋に住んでいますが、昭和54年から16年間八戸工業大学に勤め、八戸市には大変お世話になりました。いわゆる団塊の世代で、定年を控えこれからの人々の住み方・暮らし方に興味をもっています。

この世代には、今後生まれたふるさとに帰る、田舎暮らし、海外に移り住む、 旅して歩くなど、いろいろな生き方があるのでしょうが、私は「マルチ・ハビテーション」という住み方に特に惹かれており、今その実験を自ら行いつつあります。

「マルチ・ハビテーション」とは簡単に言えば、いろいろな所に住むという住み方で、その時々に気分を変えたり、 いろいろな地域を楽しんだりする住み方です。私の場合には、南アルプスの見える信州のあるところに小さなアパートを借りて、普段は名古屋市内に住んでいますが、週末だけそこで暮らすという実験をしています。これがまた楽しい。一週間が二度おいしいだけでなく、徐々に退職後のイメージを高められます。

そこで、平成19年には夏だけ(大学は夏休みが長いので)ほかの地域に住んでみようかと思っています。その第一候補はもちろん八戸です。夏は涼しく、食べ物はおいしく、自然は豊か、もちろん大好きな釣り三味も可能、さらに友達が沢山いるとなれば、やはり八戸でしょう。でも待てよ。北海道もいいし、津軽も三陸あたりもいい。いっそ海外にしようか、などと夢は膨らんでいきます。

実は私は友人と、退職後は4家族が集まって、海外3箇所の拠点と日本とあわせて一年間を4箇所移り住むいわば究極のマルチ・ハビテーションをしようという話をしています。

次の時代には、こんないろいろな住み方の人が増えてくると思います。八戸市は、条件は非常にいい。ものすごく高い資質を持っていると思います。これからはそういう多様な人が移り住んだり、長期滞在したりできるような環境をハード・ソフト両面にわたって整備していただければと思う次第です。

(「広報はちのへ」平成19年 3月号掲載記事)

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