【八戸特派大使通信】第54回 慶長 寿彰

更新日:2020年01月07日

慶長 寿彰(けいちょう としあき)/ 世界銀行 シニア都市環境スペシャリスト

慶長 寿彰さんの写真

昭和38年八戸市生まれ。 

学生時代に訪れたインドネシアで発展途上国に興味を持ち、国際公務員になることを決意。 

八戸市都市開発部で約4年間八戸市のまちづくりを実践した後、平成6年からは世界銀行(国連の専門機関)で活躍。 

主に、途上国の地方自治体の育成や都市環境対策を支援。 

最近は、インド洋大津波、カシミール大地震などの災害復興にも従事。

私は、世界銀行という国際機関で発展途上国の国づくりや街づくりのお手伝いをしています。インフラ開発や災害被災地の復興といったハード面の整備もしますが、途上国の人たちが抱える地域の問題を、いずれはその地域の人たちで解決できるようにするための組織づくり、制度づくり、人づくりが主な仕事と言ってもいいでしょう。平成6年に八戸を発って以来、普段はアメリカの首都ワシントンDCに滞在していて、一年の三分の一くらいは出張で世界の様々な国々に出かけます。また、今までにオーストラリア第三の都市ブリスベンとスリランカの中心都市コロンボに赴任していた経験もあります。

世界のどこにいても、故郷である八戸のことはいつも気になるものです。例えば、いろんな国のいろんな街で和食屋に入ると、知らず知らずのうちに八戸の食材を探してしまいます。「これは、八戸のイカじゃないですか」とか、「これは、八戸の鯖じゃないですか」と、食材がどこから来ているのかを板前さんに尋ねるのが習慣になってしまいました。今まで、ブリスベンの和食屋で八戸のイカを食べ、コロンボの和食屋では八戸で加工されたしめ鯖を食べました(産地はノルウェーでした)。サンフランシスコの日本食材店では、やはり八戸のしめ鯖がありましたね。残念ながら、ワシントン界隈ではまだ八戸の食材にめぐり合っていませんが。

何年か前から「八戸大使」という勿体無い役目をいただいて、八戸で出土された国宝「合掌土偶」が印刷された名刺を世界のあちこちで配りまくっています。大抵は、世界銀行の公的名刺と八戸大使の名刺の両方を渡すわけですが、二つの名刺を受け取ると驚く人が多くて、そこでよくコミュニケーションのきっかけができるのです。いわば、故郷の合掌土偶に異文化コミュニケーションの手助けを貰っている格好です。そんな故郷に、いつか何らかの恩返しをしなければいけないといつも思っています。せめて地球市民としての自覚と八戸人としての誇りを忘れないよう、これからも二枚の名刺を配り続けます。

 (「広報はちのへ」平成23年 4月号掲載記事)

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