【八戸特派大使通信】第60回 関橋 英作
関橋 英作(せきはし えいさく)/株式会社MUSB代表取締役
外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。その間、ハーゲンダッツなど多くのブランドを育て、広告賞も多数受賞。キットカット「キット メール」では、カンヌ国際広告祭メディア部門グランプリを受賞。
現在、ブランディングをする会社MUSB(ムスブ)の代表取締役&クリエイティブ・コンサ ルタント。ほかに、企業研修、各種セミナー、講演、執筆など。日経BPオンラインにて、コラム「マーケティング・ゼロ」を執筆中。
著書に「ブランド再生工 場」(角川SSC新書)。「マーケティングはつまらない?」(日経BP社)など多数。/Twitter:@sekihashi
八戸のブランド品は「八戸人」。
いまは東京で暮らしていますが、小中野の川岸の生まれ育ち。仕事は、マーケティングの中でもとくにブランディング。受験のお守りとしてお馴染みのキットカットは、私の手がけたもののひとつ。八戸の受験生にも、少しはお役に立っているでしょうか。 地方の衰退が叫ばれてから久しいのですが、八戸の街中も、私の小さい頃とは雲泥の差。それでも、「はっち」や八戸市のがんばりで、東京にも八戸の噂が聞こえてくるようになりましたし、街中に人が少しずつ戻ってきているようです。
そういう流れをさらに加速させるためのポイントは、八戸の売りものを「八戸人」にすること。
そのためにまずは、全国どこにでもある「特産品ブランド」にこだわるのを辞める。せんべい汁やいちご煮を辞めろということではありません。B級グルメや珍品としてPRの役目を果たしているのは事実。しかし、それが八戸とどれだけ結びついているかということです。東京で聞いてみても、「ああ、聞いたことあるかも?」というのが実態ですから。
八戸のブランディングは、「八戸っていい街みたいね」「八戸へ行ってみたいなあ」と思ってもらうこと。その原動力になるのが何かを考えなければなりません。 八戸には、朝市、いさばのかっちゃ、朝湯、蕪島、種差海岸、みろく横丁、八食センターなどいいものが盛りだくさん。でも、そのひとつひとつだけで八戸へ呼びこめることができるでしょうか。
私はグルメも含めて、その共通点は「人」だと思うのです。八戸人こそ、これらを提供するブランド品。差別化できることなのです。昨年の漢字「絆」に象徴されるように、いま必要とされているのは、人と人の関係。やっとその大事さに気づいたのです、日本人は。
八戸は、青森のイメージである津軽とも違う、南部の盛岡とも違う。海に開いたオープンで人情があり、そしてアイディアマン揃い。私は、八戸人を売り込むことで、八戸人がつくりだした「いいもの」にさらに光が当たると確信しています。
今年こそ、八戸人ブランドで参りましょう。
(「広報はちのへ」平成24年4月号掲載記事)
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更新日:2020年01月07日