【八戸特派大使通信】第72回 長谷部 剛

更新日:2020年01月07日

長谷部 剛(はせべ つよし)/ 日本経済新聞社 常務取締役

長谷部 剛さんの写真

昭和32年八戸市生まれ。51年八戸高校、55年早稲田大学政治経済学部卒業。

同年、日本経済新聞社入社。大阪編集局社会部、名古屋編集部、東京編集局経済 解説部、同経済部で記者として勤務。

秘書室長、東京編集局経済部長、編集局次長、編集局総務、経営企画室長を歴任。 平成24年から現職。

地理少年の空想

わが日本経済新聞で最近、ちょっとうれしい記事を読みました。地方で中核的な役割を担う都市に国が地方交付税を上乗せして配るという記事なのですが、そのなかに八戸の名前が出ていたのです。八戸は中核都市であると認められたということです。県庁所在地以外では、旭川、佐世保と並び八戸が例示されていました。

確かに、昔から東北で有数の工業都市であるとか、商圏が岩手県北まで広がっているといわれていました。でも、たまに里帰りして実家の周辺を歩くと、さびれてきた感じが否めません。だから、記事には、実は意外感がありました。

それで、地方経済に詳しい同僚に聞きました。「八戸はよく頑張っている。一次から三次まで産業のバランスがとれている。人口20万人台程度で2県にまたがる都市圏を持っている。全国でもユニークな町だ」。高い評価でした。

全国的な注目度はどうか。「八戸」という名前が昨年一年間に日経新聞に何回登場したか調べました。78回です。日経新聞は経済ニュース主体の全国紙ですから、いわゆる「町ダネ」や小さな事件はほとんど載りません。それでこの数なら少ないとはいえません。若干残念なのは、昔と比べて数があまり増えていないことです。ちょうど20年前の1993年は81回でした。

それでも、八戸は他の都市と比べて健闘しています。県政の記事が多い県庁所在地とは比較にならないので、冒頭の佐世保をみてみました。84回です。佐世保には有名観光地のハウステンボスがあります。それを割り引けばいい線です。青森県内では、弘前が63回でずっと少なくなります。

私は小学生のとき、地理大好き少年でした。いつも地図をながめていました。そして、未来の八戸の地図を自分で空想して描いていました。海岸に大きな港ができて、大工場が立ち並び、人口も50万人ぐらいまで増えている。新産業都市の指定から間もないころだったからでしょう。描くたびに、そんな地図になりました。

地理少年の空想はむろん実現していませんが、八戸は産業構造の転換や人口減少の荒波を乗り越えて活力を保ち続けているようです。誇りたいと思っています。

(「広報はちのへ」平成26年4月号掲載記事)

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