【八戸特派大使通信】第75回 鈴木 實

更新日:2020年01月07日

鈴木 實(すずき みのる)/ プラトウ株式会社代表取締役

鈴木 實さんの写真

昭和19年生まれ八戸市小中野出身。千葉県市川市在住。八戸高校、日本大学資源科学部卒。東京定温冷蔵株式会社入社。その後、中外食品を経て昭和59年7月水産物開発輸入会社のプラトウ株式会社を設立。

八戸の水産界のために

昭和45年代後半以降、200カイリ時代を迎えた我が国は、水産資源の供給にさまざまな制約を受けるようになりました。水産業界が多様な対応を迫られた昭和59年7月に、水産物の流通を担うべく会社を設立。地に足をつけた商いをと願って”台地(PLATEAU)”と名付けた当社は、今年6月に設立30年を迎えました。 

私は、昭和47年にタイのバンコクで三井物産や丸紅とともに、現在は世界中の回転寿司屋で使われている甲イカ、その他の輸入を手掛けました。特に現地の女工さんに水産物の加工を技術指導するのは大変でした。当時は、日本以外では魚介類を生で食べる習慣がなかったので、その女工さん300人にまずは鮮度を保つことの必要性から説明しなければならない状態でした。

その後は、韓国や北朝鮮の魚介類全般、インドネシアのクラゲ、カムチャッカ、アラスカ、カナダでのタラバガニ、紅鮭、魚卵、ロサンゼルスやラスパラマスのヤリイカやタコなどその他の水産物を求めて南氷洋から北氷洋まで。これほど世界各国を駆けずり回った日本人は他にいないのではないでしょうか。

最近の5年間は、娘夫婦と孫たちがいたマレーシアとシンガポールを何度か訪れました。現地の明治屋や高島屋で、八戸の各メーカーのしめサバやいろり焼きなどが販売されているのは驚きました。早速、日本に帰ってから、商品の写真をヤマヨ、武輪水産、島倉水産の各メーカーに送り、貴社の商品は海外で売られている事を伝え説明しました。既に八戸の加工品は日本のみならず海外でたくさん売られています。この海外への販売努力をさらに進めることが今後の八戸の水産界の生き残る道だと思います。

このような八戸の水産界を市長として引っ張って頂いた今は亡き秋山、中里、両市長、八戸や他県の船がロシアに拿捕された際に大変苦労し相手国政府と交渉してくださった田名部元農林水産大臣、そして、今日、八戸の水産界を支えているだけでなく日本のためにあらゆる面で活躍されている大島前自民党副総裁や関係者の皆さまに感謝の毎日です。

築地の水産荷受の十戒の一つに「漁業者の身になってセリをしなさい」との言葉があります。私はこれからも、八戸の水産界を今日まで育てられた漁業者や製造者の大変な苦労に思いを馳せつつ、築地で水産に従事する限り、八戸の漁業者と製造者のために努力していく事が私の使命と思っています。

  (「広報はちのへ」平成26年10月号掲載記事)

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