【八戸特派大使通信】第78回 榎本 宏

私が八戸市とのご縁を頂いたのは、かれこれ10年前に遡ります。

当時、派遣会社の14万人の給与計算や契約事務、情報システム運用などの膨大な事務の集中処理をおこなう会社の経営を担当していた私は、リスク分散のため八戸に事業拠点を設け、多い時は100名を超える市民の皆様の参画を得ました。

1年あまりで本社に呼び戻されるなど非常に短い期間ではありましたが、この時八戸という土地にたいへん鮮烈な印象を抱くこととなります。

ひとつは市民の皆様のたいへん真面目で実直なお仕事ぶり。そしてふたつめは、行政スタッフの皆様のビジネスマインドの高さと、郷土に対する深い愛情です。

このふたつに支えられて事業は無事テイクオフしました。八戸だけでなく他にも3ケ所同時に進出を行いましたが、八戸の「人と行政の力」は群を抜いておりました。

その会社の経営を離れてからは八戸との直接的な接点は減ってしまいましたが、当時の印象深い経験を忘れることなく、また何らかの形で八戸市と関わってみたいという志で、現在も大使の末席に加えて頂いております。

もうひとつ。私は初めて八戸を訪れた時、「合掌土偶」と出会いました。なんとも味わい深い造型にひと目で惚れ込んでしまい、現在、自宅のリビングには大・中・小と3種類の合掌土偶のレプリカが並んでいます。上野の国立博物館などで出張展示がある際は必ずと言っていいほど足を運びますし、八戸を訪れる機会がある時は小さいレプリカを複数買い求め、リアリティのある彩色をおこない興味を持った方にプレゼントしています。皆さんたいへん喜んでいただけます。

とりとめのない一八戸ファンの駄文になってしまいましたが、微力ながら今後とも出会う方々に少しでも八戸の魅力をお伝えできれば幸いです。

  （「広報はちのへ」平成27年4月号掲載記事）