所信表明

更新日:2021年11月16日

  • 日時:平成17年12月6日(火曜日)午前10時
  • 場所:市庁本館3階議場(平成17年市議会12月定例会)

はじめに

平成17年12月八戸市議会定例会の開会にあたり、提案理由のご説明に先立ちまして、今後の市政運営についての基本的な考え方と主要な施策について所信を申し述べ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

まず初めに、昭和4年八戸市制施行以来、地域住民の福祉の向上と市勢発展のため、幾多の困難を乗り越え、市政運営にあたられてこられた歴代の市長及び議員の皆様そして諸先輩の方々並びに旧南郷村の皆様のご尽力・ご功績に対しまして、ここに改めて敬意と感謝の意を表したいと思います。

私は、ここ八戸市に生を受け55年になります。

この間、当市の発展は目覚ましいものがあり、北東北屈指の工業都市として、また全国有数の水産都市として成長を遂げて参りました。更には、本年3月には南郷区の魅力が新たに加わり、都市発展の基盤が強化されました。

縁あって、生まれ育ったふるさと八戸の発展のため、私もその一翼を担う機会を得ることができましたことを大変光栄に思っております。

浅学非才の身ではありますが、市政前進に向け、全身全霊を傾注して参る所存でありますので、よろしくご指導・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

現状認識

さて、初登庁以来、3週間余りが立ちました。

この間、就任挨拶も早々に、各担当部署から事業概要の説明を受けました。

財政問題を始めとして行政改革、産業政策、福祉施策、環境対策、公営企業等、何れも多くの課題を抱えているとともに、現在の経済状況を反映して大変厳しい環境下におかれていると改めて認識いたしました。

現在の我が国は、長期にわたる経済の低迷の中、急速な少子・高齢化社会、情報化社会、経済社会のグローバル化の進展等、これまでに経験したことのない状況が続いております。

政府は、景気は緩やかに回復し、踊り場的な状況を脱しているとの判断を示しておりますが、県内の景気は、依然として足踏み状態が続いているのが現状であります。

また、地方自治体を取り巻く環境は、地方分権一括法から三位一体の改革そして市町村合併等、様々な制度改革の中、財政運営は一段と厳しさを増しており、多様化する行政需要に対する財政上の制約もあり、財政の硬直化に一層拍車が掛っております。

当市におきましても、市税収入が減少し続ける一方で、扶助費等の義務的経費の増嵩により、経常収支比率が上昇しており、憂慮すべき財政状況であると言えます。

決意

しかし、このような厳しい環境下にあっても、市民のニーズに的確に応えるために最善の努力を尽くしていかなければなりません。

そのためには、徹底した行財政改革を推進するとともに、重点的かつ効率的な施策の展開を図っていくことが肝要であると考えております。

今、様々な改革に取り組まなければ、自治体経営が根底から危ぶまれている状況となってきております。

まさに自治体の力量が問われている時代であります。

限られた財源のなか、見直すべきものは積極的に見直し、財政の効率化、健全化を図りながら、自らの知恵と責任で多様化する行政課題に着実に取り組んで行かなければなりません。

私は、現在の厳しい都市間競争を勝ち抜くため、これまでの行政経験をもとに、明確な目標とビジョンをもち、市民の意向を尊重し、議会の意見をしっかりと伺いながら、また職員と十分に議論と対話を図り、自らを厳しく律するとともに、先頭に立って粉骨砕身改革を進めていく決意であります。

市政運営の基本姿勢

さて、私の市政運営にあたっての基本的な姿勢でありますが、

  • 第1に、「公平公正」を旨として
  • 第2に、当市の持てる潜在力と資源を活かし
  • 第3に、常に自らが市政の先頭に立ち
  • 第4に、新たな発想のもと市政前進のための施策の展開
  • 第5に、市政運営の主役である市民の声に耳を傾け、市民とともに歩む

そして、今後4年間を「八戸を元気にする」「八戸に安心を確立する」を目標として、市議会の皆様や市民の皆様とともに、市政発展に全力で取り組む所存であります。

施策の基本的な考え方

次に、施策の推進にあたっての基本的な考え方であります。

私は、今回の選挙で、マニフェスト「八戸前進プラン」を掲げましたが、その進捗状況、達成度等は最終的には私自身の政策に対する評価であるとともに着実に実行することが課せられた使命であると思っております。もとより、このマニフェストは、必ずしも市政全般を網羅したものではなく、まだ不十分な点も多々あります。

今後、議員並びに市民の皆様のご意見を拝聴し、内容の充実を更に図るとともに、議員各位のご指導・ご協力を賜りながら、その実現に向けて取り組んで参りたいと考えております。

施策の推進にあたっては、行政の継続性の観点から、これまで築き上げてきた当市の基本方向は尊重しつつ、政策内容を精査・検証したうえで、市民1人ひとりが活き活きと幸せに暮らせるまちづくりのため、勇気と信念を持って決断し、市政前進に向かって努力して参ります。

加えて、私は、公約を着実に実行するため、まず、1つとして平成18年を八戸の「前進元年」に位置づけるとともに、2つとしては政策や事業をスムーズに行うため、今まで以上に国・県との良好な関係の上での自立が必要であるとの考え方から、国・県との連携を強化いたします。

この2つを前提として、

第1は、「活力の創出」であります。

地域の活力は他力本願では創出されないことは言うまでもありません。自らの知恵と工夫、発想、勇気で切り拓いていかなければなりません。

地域の経済に活力があり、市民生活が豊かになるためには、働く場の提供、まちの賑わいの創出等が必要不可欠であります。

私たち八戸には、蓄積されたインフラと多くの資源があります。人にも地域にも無限の潜在力があります。そして高い市民力があります。

これらを結集し、

  • 観光集客やコンベンションの積極的誘致
  • 中心市街地の活性化
  • 八戸ブランドの育成
  • 企業誘致と新規産業の育成・強化
  • 地場産業の強化と中小企業の安定化
  • 攻めの水産業、攻めの農業の確立
  • 新たな時代に向けた人材の育成

などを推進し、地域活力の創出に取り組んで参ります。

第2は、「安心の確立」であります。

安心と安全なまちづくりは、市民生活において最も基本となるものであります。

かつては、地域の安心・安全は国や県が担ってくれました。

しかし、分権の時代の今日、地域自らが積極的に施策を講じていかなければなりません。

すべての市民が安全で快適な生活を送るため、犯罪や災害に強いまちづくりを推進するとともに、高齢者をはじめとして全市民が、健康で豊かな生活を送れるようなまちづくりが求められています。

市民の皆様のご協力をいただきながら、

  • 医療、福祉の充実
  • 子育て支援の拡充
  • 循環型都市の推進、都市緑化の推進
  • 地域コミュニティの再生
  • 防災、防犯対策の強化  

などを推進し、地域の安心の確立に取り組んで参ります。

第3は、「行革と参画」であります。

厳しい財政状況の中、多様化・高度化する行政需要に対応するためには、何よりも私自身の危機感と経営感覚が必要であります。

私は、可能な限り行政の質を下げないことに留意しつつ、思い切った行政改革を断行して参ります。

同時に、全ての行政サービスを市が担うことは難しく、市民の方々の積極的な参画をお願いしなければならないものと思っております。

また、厳しい都市間競争を生き抜き、勝ち抜いていくためには中核市指定が必須条件と考えており、周辺町村との対話と相互理解を深め、段階的に合併を進める環境を整えて参りたいと思っております。

このために、

  • 行革大綱の策定、民間委託の推進
  • 電子自治体の推進
  • ボランティア、NPOとの連携強化
  • 地元大学等との連携強化
  • 周辺自治体との連携と合併推進による中核市指定を目指す

など、行政改革と市民の参画の推進に取り組んで参ります。

以上、申し上げました3つの公約につきましては、それぞれ個別に展開されるものではなく、相互に連携されてこそ、より相乗効果が発揮されるものであります。

具体的には、明年度以降の予算措置によって、その実現を図って参りたいと考えておりますが、何よりも、市民を代表される市議会議員の皆様のご指導・ご協力なしに実現できるものではありません。ご理解の程、よろしくお願いを申し上げます。

なお、現在、多くの市民の皆様のご協力をいただきながら、第5次八戸市総合計画を策定中であります。

策定期間が2年間の予定でありましたが、平成19年度当初予算に施策を反映させるため、策定方針を一部見直し、6か月前倒ししたうえで、基本計画を強力に推進するため、名称を推進計画に変更するとともに、選択と集中により戦略プロジェクトに重点を置き、平成18年9月までに策定することといたしました。

策定する第5次総合計画では、当市を取り巻く社会経済情勢が大きく変化するなかで、もっと暮らしやすく、もっと活力と魅力あるまちとなるための具体的な施策や事業を示し、今後の市政運営のビジョンを明らかにして参りたいと思っております。

以上、今後4年間の市政を担当するにあたっての所信表明とさせていただきます。

八戸市長 小林 眞

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