平成29年1月29日(日)に八戸ポータルミュージアム「はっち」において、活躍する女性と市長との公開トーク「トーキングカフェ」を開催し、医療や化学など理工系の分野で活躍されている理工系女子(リケジョ)の皆さんと市長とが意見交換を行いました。

未来に羽ばたくリケジョのチカラ ~「私らしさ」をカタチに~

パネリスト全員

お仕事の内容、めざしたきっかけ

 

川口さん
川口 恵未さん

(八戸工業高等専門学校 助教)

【川口】八戸高専で助教をしています。3年生以上の有機化学分野の授業と学生実験の指導を中心に、食品化学や食品衛生学の研究も行っています。私が八戸高専の学生だった時、当時の女性教員が、比較的年が近く面白い方で、部屋にお邪魔して様々話を聞いているうちに、私も高専の教員になりたいと思ったのがきっかけです。

【竹内】食品総合研究所は主に水産物を扱った研究を行っていて、私はサバの鮮度保持の方法や冷凍・加工に関する研究をしています。高校生の時に、地元の畜産大学と連携したSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)という実際に大学で実験等を行う授業を受け、その大学に興味を持ち進学しました。大学で食品加工・食品化学の研究を進めていく中で、卒業後も今の研究を続けたいと思ったのがきっかけです。

【濱舘】救急外来に来院した患者さんを診察したり、ドクターヘリやドクターカーに乗って、病院外で救急診療も行っています。診療のほかには、市民向けの救命講習会で講師も務めています。医師をめざしたのは、もともと人体の仕組みや病気など医学に興味があり、自分で考えて行動する仕事に魅力を感じたからです。自治医科大学を卒業後は総合医として働いていましたが、普段診ている患者さんの具合が急に悪くなった時に、適切な対処ができるよう救急を学びたくて、市民病院で働くことを決めました。

お仕事の魅力ややりがい

 

【川口】興味を持って様々質問をしてくる学生を相手にしている時が、とても楽しいと感じます。特に、教員のアドバイスのもと、学生がテーマを決めて課題探究を行う「自主探究」は、自分も勉強になります。また、5年生の卒業研究発表が終わると、少しほっとします。

【竹内】自分のやりたいことを仕事にしていることが魅力です。青森県産業技術センターは、企業や生産者の方々と密接に関わっているので、自分の研究がどのようなところで使われているかが実感しやすく、やりがいを感じます。

【濱舘】一番は、患者さんが元気になって退院していく姿を見ることです。また、自宅で倒れて心肺停止した患者さんに、お孫さんが学校で学んだ救急蘇生の処置を行ったことで、再び心臓が動き始め、後日元気に退院されたという話があります。救命救急の講習会を通じて、医師ではなくても、命を助ける方法があると教えられることに、とてもやりがいを感じます。

【市長】私が学生の頃は、理工系の女性は少なかったように感じます。今はだいぶ時代が違いますが、皆さんしっかりと必要なことを学んで卒業され、憧れの職業に就き、楽しみを見いだしながら頑張っておられることに心から尊敬します。

女性だからよかったこと、大変だったこと

 

竹内さん

 竹内 萌さん 

(食品総合研究所 研究員)

【川口】職員は女性が多く、教員はほとんど男性という偏りはありますが、性別が仕事に影響したことは少ないです。実験器具の組み立てや、重い装置を運ぶ時には、腕力のある男性が羨ましいと思うことはよくあります。今、八戸高専では女子学生が非常に増えていて、進路や友人関係・家族の悩み・恋愛に関することなど、個人的に相談を受ける機会が増えてきたと思います。

【竹内】食品総合研究所の職員は、男女半々ほどで、性別関係なく業務をこなしています。水産物など大量の実験試料を運ぶ重労働があり、一人では大変なこともありますが、職場の部署関係なく全員でフォローし合っています。

【濱舘】女性の患者さんにとって、男性に話しにくいことや生活に関わることなどは、女性医師のほうが話しやすいようで、「女の先生でよかった」と言われることがあります。そんな時は、女性として働いていてよかったと思います。今は医学部に進む女性や女性医師が増えましたが、看護師さんの8~9割は女性なので、高齢の患者さんにはよく看護師さんと間違えられます。

【市長】市でも、技術職の女性職員が増えてきているのを感じています。女性にとっても働きやすい職場を考え、どのように環境を改善していくか検討しているところです。

将来の夢ややりたいこと、めざす目標

 

【川口】教員としては、授業運営の上手な先輩教員を参考にしながら、うまく分かりやすい、飽きさせない授業の進め方を身につけたいと思います。また研究者としては、教育と両立しながら、時間や費用を無駄にしないスマートな研究の進め方や情報収集方法、研究計画の立て方などを習得したいと思います。

【竹内】研究は、職場の人はもちろん、企業や漁業者とのやり取りが大事なので、もっと円滑なコミュニケーションを心がけていきたいです。また、実用化には経済などの異なる分野からの視点が必要なので、研究だけではなく、違った視点から物事を見られるようになりたいです。そして、研究している成果が自己満足にならず、実際に産業に寄与できるようにしたいです。

【濱舘】救命救急センターは、青森県南の三次救急まで広くカバーしていますので、他の病院に比べ症例も多数集まってきます。この症例や成果を発信するために、臨床研究やその手法を学び、今まで以上に学会発表や論文に力を入れていきたいと思います。

【市長】テーマを持って研究されたり、地域経済と結びついた形で取り組まれたり、創造的な職場だと思いました。ひとつの仕事をルーティン的に繰り返すだけではなく、次につながる、人の役に立つことを常に考えて仕事をされているのは、本当に素晴らしいと思います。

女子学生へのメッセージやアドバイス

 

濱舘さん

濱舘 香葉さん

(八戸市立市民病院 医長)

【川口】理系をめざす学生は、目的意識がはっきりしているので、それに向かって頑張ってほしいと思います。しかし、本人にやる気があっても、金銭面や娘の一人暮らしへの心配で、両親から反対を受けることもあります。返還しなくてもよい奨学金なども充実していますので、何とか理解してもらい、進学を諦めないでほしいと思います。

【竹内】様々なことに挑戦し、自分のやりたいことを見つけ、それを実現するにはどうしたらいいか考えて、頑張ってほしいと思います。

【濱舘】医師は、病気や人体の病態生理を理解する化学・生物・数学などの基礎知識と、人と接し、話すための文系の要素も必要な職業です。中学・高校で学んだことは必ず将来の役に立ちます。勉強の方法を学び、知識を得ることがすごく楽しいことだと分かると、勉強も苦痛ではなくなります。学生時代は、ひとつのことだけではなく、色々なことを勉強してほしいです。

リケジョの活躍のため八戸市に期待すること

 

小林市長

小林 眞 (八戸市長)

【川口】女性のための産休・育休制度はかなり整備され浸透してきていますが、共働きを考えると、男性(父親)側の育休制度も浸透してほしいと思います。子どもの病気など何かトラブルがあった時に男性でも対応できるように、生活に合わせた働き方の選択ができればいいなと思います。

【竹内】最近、女子・男子問わず理科離れが言われています。理系がどういう分野なのか知られていないことに原因があると思うので、どういう職業があるのか知ってもらうことが必要だと思います。また、女性が進出しやすく、働きやすいこともそうですが、どの分野においても、女性だから・男性だからではなく、一人一人の能力をしっかりと見てもらえる環境を整備してほしいと思います。

【濱舘】私は小さい頃から科学が好きで、プラネタリウムを観たり、科学の実験を見たり、教科書や本で読んだものを実際に見て覚えていました。子どもの頃から科学や数学にふれる講演会やイベントなど、若い人も参加できる催し物があれば、科学などに興味を持ち、理系に進むきっかけになると思います。

【市長】女性としてめざすべき新たな分野が広がってきていることが、今日会場にいる若い人たちに伝わったと思います。現役の第一線で働いている皆さんが、将来到達したい夢や目標に向かって実績を積まれ、素晴らしい活躍をされることを心から願っています。

トーク参加者

  • 川口 恵未さん(八戸工業高等専門学校 マテリアル・バイオ工学コース 助教)
  • 竹内  萌さん(青森県産業技術センター 食品総合研究所 研究員)
  • 濱舘 香葉さん(八戸市立市民病院 救命救急センター 救急科医長)
  • 小林  眞(八戸市長)
  • コーディネーター 西村 順子さん(八戸工業大学 バイオ環境工学科 准教授)
お問い合わせ先
八戸市 総合政策部 市民連携推進課 男女共同参画グループ
電話 0178-43-9217
FAX 0178-47-1485